屋根裏の散歩者 (江戸川乱歩文庫)
屋根裏の散歩者 (江戸川乱歩文庫) / 感想・レビュー
青蓮
「屋根裏の散歩者」「鏡地獄」「押絵と旅する男」「火星の運河」「目羅博士の不思議な犯罪」「虫」「疑惑」収録。乱歩の傑作が揃った短編集。どの作品も好きなものばかりで、読んでて楽しかったです。「鏡地獄」の球体の鏡部屋の中がどうなってるのか、想像すると怖い…。「押絵と旅する男」や「虫」の人ならぬ恋が乱歩らしい。
2015/06/18
Atsushi Saito
初の江戸川乱歩作品。短篇がいくつか。 「屋根裏の散歩者」は密室殺人。登場人数もコンパクトで終わり方も良かった。 「押し絵と旅する男」は押し絵の美しさの描写が綺麗でせつない。なんとも不思議な良作。 「虫」は怖い。後半の柾木の狂いっぷり、それを綴る言葉の相反した美しさ。 昔の作品は読むのに疲れたりするけど、これは思ったよりも読みやすかったです。
2016/02/09
じゅむろりん
乱歩シリーズの文庫本が数ある中で春陽堂の装画が一番不気味で且つ美しい。そのイメージにピッタリだった作品は「虫」ですね。対人恐怖症で変質的な男が愛情を捧げた女性を殺害した挙句にあのような所業をしようとは。明智小五郎が唯一登場する「屋根裏の散歩者」が一番健全(?)かも。ただ、文字が小さすぎて読むのに一苦労しました。
2024/06/08
えっくん
★★★★☆表題作「屋根裏の散歩者」など7篇の短編集。再読となる作品も幾つかありましたが、奇異な主人公たちが多く登場します。大正時代~昭和初期にこれらの作品が上梓されており、時代を感じさせる描写はありますが、人間の深層にある異常さ、残酷さは現代にも十分通用する内容と感じました。中でも主人公が殺害した女性の遺体が微生物により蝕み黒ずんでゆく様子を描いた「虫」が、主人公の異常な行動や、顔をしかめたくなるようなグロい描写が印象的です。
2017/02/26
那由多
夏休みに叔父さんの本棚から拝借。怖いもの見たさと面白さで鳥肌が立った。そのまま『人間椅子』も本棚から出して読み耽る。夏休みの思い出。【2019.8.14 投稿】
感想・レビューをもっと見る