幽鬼の塔 (江戸川乱歩文庫)
幽鬼の塔 (江戸川乱歩文庫) / 感想・レビュー
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表題作『幽鬼の塔』は乱歩らしさは少ないものの、よくできていると思う。登場人物は多いものの、散らかりすぎることもない印象だった。駄作駄作と言われる『恐怖王』だか個人的にはエログロナンセンスでかなり好き。ゴリラ男が残すメッセージがあまりにも非道で笑ってしまった。
2023/05/15
たんかともま
幽鬼の塔の真実を知ったあとの探偵の興味の失せよう、筆の割かなさは流石乱歩。エピローグ嫌いなのかもしれないし、種明かしした時点で興味が失せるのかもしれない。五重の塔から風鈴のように揺れる縊死体など、ビジュアル的な怪奇さと、鞄の中身に執着する謎の男の謎の死という掴みが面白い。他の短編、未完になった悪霊も含め、少年ジャンプの漫画みたく設定を盛りに盛っていくインフレ感があった。広げすぎた風呂敷を畳めない恐怖王は一周回ってゴリラ男や死体との結婚がコミカルに思える。内容云々より興味を持続させる引っ張り力が乱歩の魅力。
2020/09/06
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