死仮面 新装: 他1編 (春陽文庫 C 95-30)
死仮面 新装: 他1編 (春陽文庫 C 95-30) / 感想・レビュー
Kouro-hou
横溝正史の幻(過去形)の長篇。「八つ墓村」と同時期に地方誌に連載された「死仮面」(1949)は本も出ず幻の一品扱いされていた。「悪霊島」終了後に改稿の予定もあったようだが御大逝去で幻に。連載分を中島河太郎氏が集めて角川から刊行されるも、連載4回目が見つからず中島氏が補筆した形になっている。その後発見された4回目を入れて完全版として刊行されたのがコレである。今はこちらも絶版なのでプレミア価格で取引中。うむ。連載4回目はよりによって重要人物の死体発見の話で、成る程黄金期の横溝らしくしっかり書き込まれています。
2015/04/19
しん君
きっかけはドラマ。怪奇事件の発端を語る出だしの描写がたまらない。そしてお得意の異父姉妹と不仲な関係。巧妙な偽装工作など、これぞ金田一シリーズ。一族と無関係と思われた主役・白井澄子(高3)は中盤からの登場。彼女に全財産を残す遺言状が発見され、危険な目に遭うことに…。後半は学園ものみたいな展開。推測するにデスマスクの奇妙さを作品に取り入れたかったんだろう。表題作のみ拝読。
2024/03/09
ばたこ
読み終わってから気づきましたが、完全版じゃないものもあるんですね。完全版から入る事が出来て良かった!表題作のヒロイン女学生澄子がとても良かったです。
2022/10/26
トミレン
恐らく所持している文庫の中で最高額。どうしても横溝正史の文章で読みたかったので、角川ではなくこちらを購入した。ひとつ気になったのは表題作中で川島・上野姉妹と妖婆こと静子が見たという、窓越しの君子の顔についてだ。その正体については作中で語られていなかったと思うが、読み落としたのだろうか?
2022/10/24
岸田解
二十数年前に読んだのは、確かカドカワノベルズ版だったので、いつかこちらも読もうと思っていた。連載第四回にあたる章はかなり重要な場面で、ここを補筆しなければならなかったのは、非常に大変だっただろうなぁ、と。/「鴉」は恐らく初読。過去の事件の話を切り出すまでの、金田一耕助と磯川警部のやり取りと云うか間合いが実にいい。しかし、ある人物の設定をちゃんと理解出来ていないような気がして、少しモヤモヤが残った。
2018/11/18
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