人魚の嘆き・魔術師【美装復刻版】
人魚の嘆き・魔術師【美装復刻版】 / 感想・レビュー
mii22.
初版から101年の時を経て復刻された春陽堂書店の挿絵入り美装復刻版。装丁、挿絵、フォントとも美しく観ても楽しめる一冊。「人魚の嘆き」「魔術師」の2篇とも耽美的、変態的趣向の作品で、谷崎=ワイルド、水島=ビアズリーと言われるだけあって、帯に記されている「怪奇と幻想、そしてー美への排跪」一言で言えばそれに尽きる作品だと思う。読み進めるうちに人魚の嘆きの財も美貌も申し分なく兼ね備えた主人公の貴公子がワイルドの「ドリアングレイの肖像」の主人公と重なっていった。
2021/05/16
relaxopenenjoy
1919(大正8) 年、春陽堂から版行されたものの復刻。解説、特に水島爾保布について詳しくあり。良く知る作家(無想庵)曰く、水島を要約すると、ビアズリー、江戸っ子、変態性欲だそう。谷崎と水島、2人の初対面から、挿絵本が出版された経緯も興味深かった。本書はカバーが黒と紺でタイトルがピンクの箔押し。サイズもB5ほど。文字や仮名遣い等も古書を踏襲。中公文庫のもの(表紙は白黒)とは雰囲気が異なる。人魚の嘆きのシノワズリ風の絵も特徴的だが、魔術師の挿絵の方がよりサロメぽくもありキュビズムぽくもあり好み。
2021/03/06
nitti
旧字、旧い文体に浸りながら、水島爾保布のイラストも素晴らしかった。怖い絵展でみたイラストに感動して手に取った部分もあるので、復刻版で読めたのは大変よかった。 ビアズリーみたいでいいよね。
2021/08/20
眼鏡堂書店
冒頭など特に、乱歩が大谷崎にそれほど傾倒していたかがよくわかる。
2021/04/12
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