錯乱 (春陽文庫)
錯乱 (春陽文庫) / 感想・レビュー
じいじ
藤沢周平・宇江佐真理の時代小説にハマって三人目、程々にしておかないと身が持ちそうにありません。直木賞の表題作を含む5篇の短篇集。【錯乱】は跡目相続がテーマ。藩主の突然の死によって、藩内が騒然となる。まだ2歳の愛児に家督を継がせることが、果たして許されるのだろうか? 70頁の短篇だが読みごたえは充分です。私は【碁盤の首】が好きです。二人の碁敵である下級武士の話。たかが百姓女ひとりへの戯事と…タカを括った下級武士への厳しい沙汰が下されます。藩主の「甘えてはならぬ!」との戒めです。初期の短篇も、おもしろいです。
2023/04/05
優希
直木賞受賞作を含む短編集でした。どの短編も面白くて引き込まれます。それぞれに味がありました。
2023/04/11
空猫
【第43回直木賞】藩主の死によって起きた混乱を描いた『錯乱』。戦の無い世に生きる武士とは『基盤の首』。派閥争いに巻き込まれて『刺客』。あの鬼平の隠れた趣味とは『秘図』。新政府と薩摩(西郷隆盛)との戦は、同胞同士の最後の闘いか『賊将』。どの作品も二転三転で読みごたえ、臨場感があり、とても楽しい時間だった。こういうのを「切れば血の出るような」と言うのだろうし、大人で男の骨太な小説と言うのだろうね。池波作品は漫画やドラマの方ばかりだったけど、やはり原作ももっと読んでみようかな。
2023/06/03
たーくん
池波正太郎・春陽文庫復刊!第43回直木賞受賞作「錯乱」他計5作品を収録した短編集。池波作品を人気を決定づけた「鬼平犯科帳」「剣客商売」など江戸の市井人を描き出し人間模様の巧みさは独壇場である。収録作品は表題作「錯乱」「碁盤の首」「刺客」「秘図」「賊将」の5作品。
2024/01/30
akari
短編集。四作とも面白かったが、特に「秘図」は鬼平に置き換えても良いほどの設定、筋運びで下。池波さん、こういうものも書くんだと思った作品でした。
2023/03/04
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