仇討ち物語 (春陽文庫)
仇討ち物語 (春陽文庫) / 感想・レビュー
ケンイチミズバ
潔くない、色香に溺れ、馬に跳ねられ、お金がない。討つ方も討たれる方も難儀な。なぜこんな慣習がいつまで続くの。どの仇討ちも残りのページ数から落ちが読めてくる。ユーモアがあり、笑いを誘います。およそ武士らしくない武士は人間的で私たちと変わりません。背景設定もいい。なるほどあの事件に絡まるのか。殿中で刃傷沙汰に及び主家は切腹してしまった。それを知らず、殿を怒らせ、逃亡をいつまで続けるのやら気の毒な小姓の若者は人柄でも頭脳でも剣術でもなく「美貌」により仕官が叶ったが。殿に唇を吸われ、いやだ今すぐにも口を洗いたい。
2022/11/25
ぶんぶん
【図書館】仇討ちに関する七編の短編集。 浅野内匠頭長矩、荒木又右衛門、など実際の人物を置いたり、全く無名の人物を配したり、池波版の仇討を虚虚実実に描いたものである。 仇討の空しさ、やるせなさを見事に書き切った抒情詩。 しかし、運命と言うのは判らないものです、こういう着眼点が後の「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」シリーズに生かされていたんだなとしみじみ思う。 ふと、図書館で借りて来たがこういう短編の池波氏の作品も良いものである。 あっさりとスッキリしている、流石は池波流の面目躍如である。
2023/03/19
Kira
図書館本。仇討ちがテーマの短編7篇を収録。目次を最初に見たとき「火消しの殿」が目に入って、え? なんでこれが入ってるのと思った。浅野内匠頭の児小姓となった美少年の物語だが、本人が吉良邸に討ち入ったわけでもない。仇討ちに因んだといえば、異常なほど消防訓練を繰り返す内匠頭の人物像くらいだろうか。この一篇が本書に入っている意図を編集部に訊いてみたい。
2022/12/05
ASnowyHeron
確かに簡単に仇なんか見つからない。大変な制度があったもんだ。
2023/02/20
ますみ
★4★
2022/11/06
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