このへんで、お先に: 日本人のしなやかな死生観 (ノン・ポシェット や 8-1)
このへんで、お先に: 日本人のしなやかな死生観 (ノン・ポシェット や 8-1) / 感想・レビュー
coco.
宗教学者・山折哲雄が語る死生観。執筆時は、闘病経験が大分重なっていた頃。古典文学や随筆、僧侶や修道女の逸話、名作映画からの引用、実家がお寺である著者ならではの宗教観が独特で深い。生きることと、死ぬことは、最も遠いようでいて表裏一体だ。十代初期から私の父がずっと語っている話が、我が家一番の不思議談でもあるように、臨死体験は、死生観の意味を掘り下げるのに最適。古来から育まれた辞世の句、切腹、即身成仏を享受する儀式を「死の作法」と名付ける著者の呼び方に共感した。臨終に共にしたい音楽探しは、強く印象に残った。
2014/03/16
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