完本妖星伝 1 鬼道の巻・外道の巻 (ノン・ポシェット は 1-18)
完本妖星伝 1 鬼道の巻・外道の巻 (ノン・ポシェット は 1-18) / 感想・レビュー
KAZOO
半村良の三大伝奇小説(「石の血脈」「産霊山秘録」とこの小説)のひとつです。むかしハードカバーで読んだのはキンキラキンの表紙が印象に残っている7冊ものでした。今回の再読は3冊ものでこの本では「鬼道の巻」「外道の巻」が収められています。背景は江戸時代の吉宗が引退し、田沼意次の時代が始まろうとしているときで、昔読んだときはあまり気にならなかったのですがエロティックな場面が結構あります。地球以外から来た宇宙人がこの時代の人物に憑依して外道皇帝として存在しますがそれをめぐっての物語です。最近の中国SFに似てます。
2023/05/02
goro@80.7
伝奇SF小説極まれりの「妖星伝」遠い昔「鬼道の巻」までは読んだ記憶が蘇ってきました。何ともおぞましい地底の人々で挫折したのでしょうが、今読み返すと壮大、遠大な物語の始まりでしかなかったのです。鬼道衆とて外道皇帝の下僕のようで、何故この星は醜くなってしまったのかとの問いかけさえも序章にすぎない。宿縁の中で生きる小さな人間たちはどうなっていくのか、半村良ワールドの深淵を覗きに2巻へ。
2021/05/26
rosetta
★★★✮☆最初は恐れを為した750頁もあっという間。脳味噌がグルグル掻き回されるような快感に浸る。人は命は何処から何のために生まれたのかとは手塚治虫の『火の鳥』や光瀬龍の『百億の昼と千億の夜』の様だし、DNAに仕込まれた太古の超越者が蘇る設定には佐藤史生の『ワンゼロ』を思い出す。地球人が豊かな景色と見る春の野は実は弱肉強食の殺戮の世界で月の表面の様な生き物のいない世界が極楽なのだとは何処かで読んだことがあるがこの本からの引用だったのか?鬼道衆が安い漫画の様な描かれ方でそこがちょっと自分の趣味ではなかった
2020/08/05
ぐうぐう
伝奇小説の金字塔と言われる半村良の『妖星伝』。7巻分を全3巻として刊行した、祥伝社文庫の完本版で読む。2巻分を収録するこの1巻は、まだまだ序盤といった展開だが、すでに恐ろしいまでに面白い。今風に紹介すれば、空前絶後の超絶怒涛の小説、伝奇を愛し、伝奇に愛された小説、血筋、裏歴史、超常現象、すべての伝奇小説の生みの親、それが『妖星伝』、となる。特に、プロローグとなる「劫火の誕生」の章は、大長編小説の導入としては、これ以上は考えられないくらいに完璧な出来だ。思わず鳥肌が立ってしまった。(つづく)
2017/12/10
fseigojp
アンチ・ヒューマンな視点、今の環境テロリズムの元祖
2015/09/15
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