龍の契り (ノン・ポシェット は 6-1)
龍の契り (ノン・ポシェット は 6-1) / 感想・レビュー
Tetchy
本書で書かれている事象が作者の空想の産物なのかそれとも史実なのか判断に迷うところだ。というのも今の日本が服部氏が本書を発表した1995年に想定した最悪のシナリオのとおりに進んでいるからだ。本書で書かれた脅威が全く絵空事ではなく、日本の暗い将来を暗示しているようにしか取れないのが恐ろしい。そんな観点からも本書は情報小説としても非常に密度の濃い物であり、さらに中国、イギリス、日本の三つ巴の緻密な構成(正直なことを云えば登場人物表が欲しかった)、結末に向けて高まる緊張感など、とても新人とは思えない筆運びだ。
2010/04/15
Kazuo Tojo
香港の返還問題を真っ向から挑んだ超エンターテイメント、国際謀略ドラマ。近代史の中でアヘン戦争以降歴史の闇に沈もうとしている陰の部分にスポットライトを当てた。とにかくスケール感を感じた。一部「ジェノサイド」を彷彿させた部分もあるが満足感たっぷりの本だった。
2014/07/30
jjj
獅子が目覚めるときーーそれは、中国の、一二億の人々が、世界に対等に向き合うときなのだ。中国の国力が増したいま、その時はもう目前に迫っている。おそらく、今世紀中か、次世紀の初頭に、国のパワーが飛躍的に増す、夢のような十数年間が、かの国にも訪れるだろう。日本や、韓国がそうだった。だが、獅子の国の人々には、先の二国の例に倣ってほしくない。(448頁)この本のなかで、心に残った一文です。
2024/07/28
ぴよきん
どこまでが史実でどこからが想像なのか・・・。この壮大なスケールの想像力に脱帽。なんかまるで見てきたみたい、とついつい思ってしまうのですが、小説ですもんね、作者の想像の産物なんですよね。 すごすぎる・・・。
2011/08/03
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