puzzle: 推理小説 (祥伝社文庫 お 13-2)
puzzle: 推理小説 (祥伝社文庫 お 13-2) / 感想・レビュー
夢追人009
謎めいた三死体と全く関連性の無い5つの手掛かりをパズルのピースとして取り上げた幻想系ミステリーの実験的な野心作。「さまよえるオランダ人」「二〇〇一年宇宙の旅」「新元号・「光文」秘話」「ボストンブラウンブレッドの料理レシピ」「二万五千分の一地形図」、何てまあ、けったいな想像を絶する物語に思えますが、オチは巧くまとまっていて無茶苦茶に驚愕はしなかったけれど、よくぞ考えたものだと著者のご苦労を讃えたいですね。現代社会は変な人が多いですから十分に有り得る話でしょう。処で幻の元号と光文社は何か関係あるのでしょうか?
2018/07/29
さてさて
冒頭に新聞やら本やらの引用が次々に出てくるところなど、これが巧みにパズルのピースのように組み合わさってあっと驚くような絵が最後に浮かびあがるのか?と物凄い期待感に包まれるこの作品。短編ということで、後半の恩田さんならではの疾走もかなり早く始まります。ただ、疾走というよりあっという間の手品の種明かしのような感じ。振り落とされはしませんが、余韻もなく、はい、おしまいという感じの幕切れ。全体としてちょっと物足りなさが残った、そんな作品でした。
2020/12/15
zero1
ミステリーは全て解決が必要?違うだろ。【投げっぱなし】もアリだ。短くてもそれは同じ。無理に【説明】したら小説としてぶち壊し。廃墟の無人島で何故3人は死んだのか。しかも死亡時刻が近い。検察官2人は解明のため上陸。【さまよえるオランダ人】に映画「2001年」、年号「光文」。パンに地図。153ページという長さだけでなく内容が物足りない。会話も検察官らしくない。設定自体に必然性がない上にあり得ない。買うのではなく図書館で借りるべき薄さ。読了3分後には忘れても問題なし。【だからどうした!】やっつけ仕事の代表格。
2022/07/13
SJW
鼎島(多分、軍艦島がモデル)で発見された三人の男性の遺体が発見された。この島を調べに入った検事二人が、残された6つの記事を元にパズルを解いていく。軍艦島を歩いて死体が発見された場所を調べる描写は臨場感があり、自分もその場にいるような錯覚を覚えた。
2020/12/31
セウテス
「六番目の小夜子」の登場人物、関根家の秋の兄春が謎を追う。廃墟の島で同じ日に発見された3人の遺体、学校の体育館で餓死、廃墟のマンションの屋上に転落死、廃墟の映画館の席に座ったまま感電死である。無人の孤島に廃墟の中に3人の死体、各々謎の提起としてはたいへん魅力的である。クリスティ氏の「そして誰も~」の変則バージョンと考えると、もっと作り込んで欲しい作品に思う。遺体の謎は明らかになるのだが、やはり全体像を考えると、ミステリの形をとった別物なのだろう。私には理解出来ない様で、ミステリとして残念で仕方がない。
2020/09/28
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