生存者、一名 (祥伝社文庫 う 2-1)
生存者、一名 (祥伝社文庫 う 2-1) / 感想・レビュー
夢追人009
歌野晶午さんがクリスティー女史の名作「そして誰もいなくなった」に挑戦したトリッキーな孤島ミステリの秀作中編小説。2000年に書かれた本書は、真の道福音教会の信徒による爆弾テロ事件という設定で、明らかに5年前の1995年に起きたオウム真理教による地下鉄サリン事件をモデルにしていますね。鹿児島県の遥か沖の無人島・屍島に逃れた実行犯の男女6人が次々に姿を消し殺されて行くストーリーは十分魅力的です。殺人事件の真相は割と現実的で地味目でしたが、生存者一名の正体は全く予想外のサプライズで著者の企みに唸らされましたね。
2019/03/24
ちーたん
★★★★☆孤島を舞台にしたクローズドサークル。新興宗教の信者が起こした爆破テロ。実行犯4名と幹部2名はかつて流刑地であった『屍島』という無人島へ一時的に潜伏する。しかし、幹部1名がクルーザーと共に忽然と消え、一向に戻らない。切り捨てられた事を知った男女5人。限りある水と食糧。その内1名の他殺体が見つかって…◆犯人は人数的に割と見つけやすい。けど、さらにもう一捻りがあるので面白かった!ちょっと時間軸的に無理があるような気もするけど、タイトルが秀逸✨『そして名探偵は生まれた』にも収録されてる作品!
2020/07/29
aoringo
絶海の孤島で一人また一人殺されていく、ミステリーの王道のクローズドサークル。一日で読める中編小説で、読み慣れている人には簡単に分かるトリックかもしれない。この手のテーマでは最近は変わった設定のものが多いけど、こちらは古き良き推理小説といった感じで何だか懐かしい気持ちに。この定番が逆に新鮮に感じました。
2023/07/31
chiru
生存者は何名…という聞きなれた報道。それをタイトルにした時点で、わたしは "1名だけ『助かった』″と思い込んでしまって、そこにやられた!って感じです。どちらにもとれるラストにも伏線ってあったのかな。どっちだったんだろう。★4
2018/01/07
鈴
歌野さん久しぶり。とは言っても「葉桜~」と「絶望ノート」の2冊しか読めてないが、エグいのを書かれる作家さんというイメージ。「生存者、一名」なるほど!!そう来たか(笑)結局、男はマヌケで女は賢いのだ。(男性の皆さん、すみません。)読みやすくて一気に読了。
2017/12/16
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