ディール・メイカー (祥伝社文庫 は 6-3)
ディール・メイカー (祥伝社文庫 は 6-3) / 感想・レビュー
Tetchy
本書で描かれるのは一大メディア企業の買収劇。一頃日本でも話題になったM&Aがテーマとなっている。しかもモデルとなっているのがアメリカきっての二大大型企業、ディ○ニーとマイク○ソフト。この2社の仮想一騎打ち買収対決だ。作者の広範な知識と緻密な取材力には全く以て脱帽。何しろ米国を舞台に当地の法律下で買収戦争を描き、更にアクションシーンも盛り込んでキチッとエンタテインメントしているのだから畏れ入る。米国の法律に疎い我々読者に噛み砕いて淀みなく物語を進行させる筆の巧みさ。更なるクオリティの冴えを見せてくれた。
2014/05/09
koo
これは凄い、登場人物は日本人はおそらく0、欧米人のみで描かれていますが海外作家の邦訳作品を読んでいるかの様な感覚、海外小説らしいスケールの大きな作品なのが前作同様素晴らしい。メインストーリーはディズニー対マイクロソフトをモデルとした大企業の敵対買収劇、経済小説ですが序盤から仕組まれた伏線の数々が回収され破綻なく纏めらています、買収劇後の「スチュアート対アベント」判例からはじまる真相の章はお見事、著作権や遺伝子ビジネスも絡めたスケールの大きな傑作を読めて大満足でした。
2022/12/29
shirou
読み応え抜群の作品でした。 『企業買収』を主題にDNA、人種問題へもアプローチしております。 最後のどんでん返しは、著作権を用いたモノ。 スリルもあり、展開が遅いとは感じないが、少し長すぎるような気がします。 そして、最後があっけない・・・
2013/03/21
sanmainuki
ニッポン放送買収攻防の際、ライブドア塩野誠がフジサンケイ日枝に対し「ディールメイカー読んでおけば良かったのに。あっちのが先取りしている」と皮肉ったらしい。それで気になり読んでみた。 98年の本だが古さは感じなかった。リーマンショックの気配すらないこの時代にも投資銀行業務は虚であるという考え方があったことに驚いた。 気にいった文章を引用しておく。 「虚の核になったのは実の力である。圧倒的な実がなければ全ては無だったのだ。健人は実を作る側の人間になりたくなっていた。」金の本質をよく表している。
2018/04/16
葵堂
現実で言うところのディズニーVSマイクロソフトののLBO合戦。それに色々と付加価値を付けてこねくり回した長編。これをサスペンスというべきかは微妙であるし、とはいえ経済小説というのもなんか違う気がするというか。読み応えはある、読み物ではありましたとさ。
2015/06/24
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