KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

十日えびす (祥伝社文庫 う 3-2)

十日えびす (祥伝社文庫 う 3-2)

十日えびす (祥伝社文庫 う 3-2)

作家
宇江佐真理
出版社
祥伝社
発売日
2010-04-14
ISBN
9784396335694
amazonで購入する

十日えびす (祥伝社文庫 う 3-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

じいじ

宇江佐さんの人情話はいいですねぇ。いくら読んでも飽きません。これも、文句なしに面白いです。かざり職人の夫の急死で、家を追い出された後妻(継母)と先妻の17歳の娘との借家生活が始まります。親子の血の繋がりなど何処吹く風、実の母娘のように仲が良い。たまのケンカは、さらに母娘の絆を強くするご愛嬌でしょう。笑って、泣いて、ほっこり感動に胸を熱くする母と娘の物語。―宇江佐真理の江戸下町人情物語にハズレ作はありません。おススメの一冊です。

2018/09/04

ふじさん

夫の急死、義理の子どもたちとの争い、引っ越し先でのトラブル、鼻つまみ者のお熊の息子と義理の娘のおみちの恋騒動等、八重には次々に災難が続くが、そこはまっとうな感覚を持ち、常識的な行動を出来るがゆえに、何とか乗り越える。八重の悲しさや辛さを分かってくれるのは、共に暮らす義理の娘のおちよだけだ。健気に生きるこの親子の幸せを祈りながら読み切った。主婦を続けながら作家を続けた宇江佐真理ならではの庶民の喜びや哀しみを描いた作品。

2021/09/21

ミカママ

宇江佐さんの時代モノはどうしてこんなに読みやすいのか、とスラスラ終わったら、あとがきで大学の先生が「まっとうな生活人を、主婦の感覚で書いているから」と解説してらして、まさに膝ポンでした。主人公・八重とその周辺が織りなす江戸の人びとのまっとうな暮らし。人の生き死にあり、妬み嫉みあり、助け合いもある。そしてみんな、他人と折り合いをつけながら生きている。あったかい気持ちになれること請け合い。武州の「おみち」は無事、家族の元に帰ったかな。

2015/04/09

ふう

こんな話、江戸時代じゃなくて今でもありそうと思いながら、先が気になって一気読みでした。お金がからんだ家族の問題、ご近所トラブル、男女や親子の関係。本当に「世の中には様々な揉め事がある。なければそれに越したことはないが、多かれ少なかれ、毎日揉め事は起きる」んですよね。でも、どうやって、どんな心持ちで乗り越えていくかで、人生がずいぶん変わります。損得ではなく、相手の気持ちや痛みを思いながら、いいこともそうでないことも少しずつ分け合って暮らす…。宇江佐さんと八重が重なって、その心意気が小さな勇気をくれます。

2018/10/25

ぶんこ

初恋の幼馴染の後妻に入った八重さんに試練の連続で、お人好しぶりにハラハラしました。 なさぬ仲の子供達の勝手な言い分に涙したり、ご近所の猛女お熊さんにもドキドキと、ホッコリの物語ではなかったです。 ご近所の困ったさんには、最悪引っ越しの手がありますが、身内はそうもいかず、縁を切ったと言っても続くわけで、今でいうホームレスになった芳太郎さんは、このまま利三郎さんに助けられながら立ち直ってほしいものです。解説 を読んでいて、何となくお八重さんと宇江佐さんが重なりました。

2015/12/11

感想・レビューをもっと見る