回転木馬 (祥伝社文庫)
回転木馬 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
セウテス
下澤惟シリーズ第2段「観覧車」続編。ハッキリいって前作の終わり方から、本作はとてつもない謎に巻き込まれた、唯と夫の命をかけたサスペンスだと期待した。しかし、残念ながら腹立たしい物語でしかなかった。第1に夫が失踪する理由が、言い訳にも妻に一切連絡をしない理由にもならない。第2に仕事の延長線にある夫が、依頼人と子供を作る理由は全くない。多大な危険を感じていながら子供が作れるのであるならば、その男はよっぽどの無責任かだらしない男である。当たり前の行動を最初にとっていれば、この様な問題にはならないという事である。
2019/04/15
mariya926
観覧車に続き読みました。残念ながら私の推理は外れてしまいましたが、良かったです。最後らへんはドキドキハラハラで読みました。正直、雪によって人生を狂わされてしまった2人。普通だったらありえない偶然が重なり…それでも最後まで信じていた唯は素晴らしいです。何度も私だったら…と思いながら読みました。回転木馬…自分と夫は並んだ木馬に乗っていた。だが途中で、夫は、別の木馬に跨った。回転は続く。回転木馬の上で、それぞれの木馬の距離は決して変わることはない。だから「回転木馬」なんですね。素敵なネーミングです。
2017/02/13
choco
「観覧車」の続編と知りながらも図書館には、回転木馬しかなく我慢出来ずに先にこの本を借りた。面白かった。読み応えがあった。失踪した夫を待つこと十二年。辛かっただろう。苦しかっただろう唯の心情が深い闇のように伝わってくる。唯が知り合った1人1人の過去が雪解けするストーリーは、舞台となる信州の長い長い雪解けと重なり、時は巡る。立ち止まりはしない。事を教えてくれた。
2015/12/11
ミスターテリ―(飛雲)
また新たに追っかけたい作者に出会った。夫を探す探偵の妻が、次々に出会う女性たちの辛くて悲しい人生を優しく描いて見せる作者の筆力に感心した。夫は一時的に記憶を失い家庭を捨てたが、妻を愛していた。しかし現在の家族は捨てられない。後半二人の距離が近づき、お互いの気持ちが判っているだけに、出会ったら誰かが悲しむ結末に!そんな心配も作者は見事に答えを用意していた。あまりにも残酷な方法であったが、ふたりの未来の幸せを予感させる結末に余韻に浸った。改めて人を想い信じる気持ちが胸に響き、本当にいい作品だったと実感する。
2020/12/23
sat
”観覧車”の続編。突然失踪した夫を12年待って追う唯。 / いやぁ〜、辛かった〜、苦しかった〜。唯はとても強く、愛おしい人でした。奥歯を噛みしめながら読んだので、アゴが痛い…。面白かった。
2016/08/18
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