獺祭 軍鶏侍 (祥伝社文庫)
獺祭 軍鶏侍 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
藤枝梅安
「軍鶏侍」シリーズ2作目。源太夫の岩倉道場に門弟を取られ、逆恨みした道場主が源太夫に返討に会う「獺祭」。軍鶏が好きな太物問屋の隠居との出会いを描く「軍鶏と矮鶏」。「岐路」では、入門してきた少年の絵の才能を活かすために右往左往する源太夫。源太夫が秋山精一郎と尋常な立会の末、精一郎を討ち果たした事件が、数年後に新たな火種となって源太夫に振りかかる「青田風」など。養子や後添えが珍しくなかった時代の人間関係は現代人のそれよりもおおらかで包容力があったなぁ、と思わされる。(コメントに続く)
2012/12/06
onasu
逆恨みによる闇討ちから始まり、果たし合いもあるものの、初作の張り詰めた感じではなく、懐深く、剣を究めんとする道場主:岩倉源太夫が描かれる軍鶏侍の二作目。 シリーズものとして、登場人物も増え、それぞれに物語を紡がせていく。人物造形も妙味で、あっという間に読み終えてしまう。欲を言えば、源太夫の人となりに、下世話な人間味がやや欠けるところか。 とは言え、既刊のもう一冊を、まずは楽しみに。
2013/01/22
ベルるるる
悪くはないけど、1作目ほどは楽しめなかった。
2018/09/15
タツ フカガワ
シリーズ2作目は4話の連作で、軍鶏の闘う姿から生まれた秘剣「蹴殺し」の剣劇もあれば、道場の若い門人たちに向ける優しい眼差しや、自らが手にかけた親友の娘との対面など、そこから浮かび上がる源太夫像が魅力的です。と同時に、下男の権助の出来物ぶりがすごい。過去に曰くありそう……考えすぎか。
2019/03/11
ひっと
主人公はきちんと道場主におさまり,前作のような昼行灯ぶりは影をひそめてしいました。しかし,彼の性分なのでしょう。若者を導く良い指導者になっています。そして,ようやく秘剣「蹴殺し」が明らかになります。動と静のバランスがとれていて後味の良い面白いお話でした。
2014/04/15
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