スキマ猫 (祥伝社文庫)
スキマ猫 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
ヒラソル
人は誰でもスキマを抱えて生きている。それを埋めるために誰かを求めるのかもしれない。スキマなくびっちりとピースを埋め合える存在と共に歩めたらそれは1日だろうと、怠惰な100年にまさるだろう。久しぶりに読むサクライアミは変わらない性描写と内面を描き、成長した性描写と内面を描いてくれた。猫と共生を始めて間もない今読むことは意義深かった。世界が愛しく思え輝いて見えた。パソコンのキーボードに乗り邪魔をするとか一緒だ。クロエはコラットとシャムのミックス。うちの子もシャムの血が入ってそうなのでこの偶然も嬉しい。
2012/09/30
yamakujira
医者と交際中のヒビキは、理性的な彼を好きなのに心の隙間を感じていたところで、難読症の治療をきっかけに出会った泉花という男に惹かれていく。25歳のヒビキと50歳の泉花、隙間を感じない心が共鳴して年の差に躊躇うのは一瞬して、ふたりは激しく求めあう。交際相手との心の隙間も理解できるし、心変わりも許せるけれど、医者からパイロットへの乗り換えは偶然でも、恋人を騙すって嫌な女だな。訳ありでも妻帯者のくせに、若い女に手を出す泉花も気持ち悪い。病んだふたりの年の差婚は、狂った時代を象徴しているのかな。 (★★☆☆☆)
2020/06/19
ジュン
人に会って自分が変わる。自分を変えたいと思う。自分は変われるんだと気づく。造作もなく、呼吸するように変わる自分。……そんな奇跡を描く一冊。奇跡って書くと、できる人には大げさに感じるのかもしれない。それでも、その時は、それがとてつもなく幸運で、なにより凄い事なんだって教えたい、伝えたい。
2013/01/10
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