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彼女が追ってくる (祥伝社文庫)

彼女が追ってくる (祥伝社文庫)

彼女が追ってくる (祥伝社文庫)

作家
石持浅海
出版社
祥伝社
発売日
2014-06-12
ISBN
9784396340391
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彼女が追ってくる (祥伝社文庫) / 感想・レビュー

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ナルピーチ

碓氷優佳シリーズ3作目。恒例の倒叙ミステリーで今回も楽しませて頂きました。女性二人の一騎討ち勝負!果たして勝者はどちらなのか。まさに“試合に勝って勝負に負ける”この一言に尽きる展開と『彼女が迫ってくる』そのタイトルらしい結末の描き方に読後のゾクゾク感が止まらなかった…。でも一番怖いのはやっぱり碓氷さん…ずば抜けて優秀な頭脳によって冷徹に謎を解き、犯人に突きつける。シリーズが進むにつれて彼女の存在に畏怖の念を抱いてしまうのは気のせいなのか?!犯人との対峙よりも比呂美の恋愛事情の行方を心配する姿が怖過ぎた…。

2023/04/22

ま~くん

碓氷優佳は大学で火山の研究をしている一般人。しかし、一旦事件に関わると正義感、道徳感とは無縁の推理で犯人を容赦なく追い詰めていく。そして事件を解決さえすればその後のことは全く知ったことではない。今までの探偵像とはちと違う所が最大の魅力かも。倒叙ミステリというジャンルは個人的に大好物なのだが、作者の力量が物凄く問われると思う。何せ読者に犯人が最初から開示されている。探偵(刑事)と犯人の心理戦は下手な作家だと読むに堪えない代物に成り下がってしまうだろう。中条、黒羽、親友同士の想い人に対する葛藤。滅茶怖過ぎた。

2022/12/31

瑞佳

今回もとてもおもしろかった!『彼女が追ってくる』というタイトルからてっきり“彼女”とは優佳のことかと思ったけれど違ってた。でもなるほどこのタイトルは秀逸で、寒気がするほど腑に落ちる。倒叙形式で始まるコテージでの殺人。タイムリミット付きの警察未介入。そして登場人物による事件解明へのディスカッションの楽しさ。このお約束感がたまらないっ☆もののついでのようにふわりと真相を語り破滅に導く、可憐な死神のような優佳の微笑みが不気味。しかし加害者の最大の敵は、最後まで被害者なのであった。

2017/01/22

ジンベエ親分

碓氷優佳シリーズ3本目。倒叙+クローズドサークルという形式を続けながら、よくまあ毎回これだけ変わったパターンを考えつくものだ。今回は犯人が殺人を犯した後で、被害者が握りしめていたカフスボタンの意味について推理する、というもの。今回積極的に探偵役を買って出るのは前作に登場した堀江比呂美で、優佳は妙に静かなのだが終盤で一気に畳みかけてくる。それにしても彼女の常人とはかけ離れた行動原理は、実は好きだ(笑) 勝負がついた後で優佳が夏子に言い放つ一言も彼女らしくて良い。キャラが完全に確立した感がある。面白い。

2017/12/29

ヒロユキ

当然かのようにあまりにもあっさりと謎を解き明かす碓氷優佳。そして目の前の人間にあなたが死ぬ結末のほうが美しいと普通に言いきるのが怖すぎる。犯人vs探偵だけでなく犯人vs被害者、どこまでもまとわりつく彼女の執念、圧巻の結末でした。

2015/10/16

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