家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)
家康、江戸を建てる (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
ミカママ
時を遡り高二の冬、受験科目に世界史を捨てて日本史に逃げたわたくし。ひたすら年号と人物、その偉業を覚えこむ日々。そこには人物の「キャラクター」は存在しない。今作はその肉付けに大きく一役買ってくれた。お江戸は家康が移って来たときから既にお江戸だったわけじゃない。川の流れを変え、金貨を作り、石垣を作って天守閣を建てた、職人とエンジニアの物語。まともな地図も掘削機も、もちろんパソコンもない1600年代に、川の流れを変えよう、と思いついた先達には、尊敬の念しかない。モノを造る男たちは、いつの時代にも輝いている。
2020/08/11
三代目 びあだいまおう
世界に冠たる大都市『TOKYO 』その礎であり当時世界一の人口を誇った『江戸』 なるほど戦国末期までの日本の中心は京都大阪!まさに西高東低。天下を手中にした秀吉は、家康に今の所領を捨て江戸に行けと命じる。当時かの土地は『だめな土地』『見捨てられた土地』。いわば秀吉による体のいい権力引き剥がしである!家康は受諾した!荒ぶる川の流れを変え貨幣経済を作り、水を整え街を創った!本書は家康の命を受け未曾有の街創りをした面々を描く。日本橋や銀座、井の頭や水道橋等地名の由来にも触れ、とても楽しい読書時間でした‼️🙇
2019/05/08
海猫
江戸という都市開発プロジェクトを全5話で各方面から描く、オムニバス。歴史時代小説にしては重みと格調の無さすぎる文章にちょっと面食らった。とはいえ読みにくいわけでもなく、各話のエピソードや切り口が興味深く、面白く読めた。タイトルのイメージに反して家康の出番は少ない。そのぶん、各話でそれぞれの職人たちが出てきて印象に残る行動言動を取る。どのプロジェクトも時代が時代なので何十年もかかったりもする。なのでなおさら何か事業に人生を賭けるということについても、思いを馳せてしまう一冊であった。
2018/12/20
小梅
面白かった! 新年、最初の読了に相応しい作品でした。 さて、読み終わってから観るために録画しておいたドラマを観ます。
2019/01/03
ナルピーチ
荒れ果てた平野の関八州。秀吉に命ぜられた分が悪い国替えの案。家臣から反発を受ける中、家康はその話を受けてしまう。一体どうした家康😮💨灰色の土地に茫々たる萱原。そして貧相な町並み。荒んだ関東を理想郷に変えるべく、夢を実現させる為に難問に立ち向かう。さてさてどうする家康🤔多くの職人達が命を賭けたプロジェクト。川の流れを変え金貨を述べる。飲み水を引き石垣を積む。天守を起こして見渡す先に映る景色。それは“江戸”という世界一の町を作り上げ、未来へと繋がる“時代”を建てたのだ!やっぱりこの男、凄いぞ家康🤓
2023/01/03
感想・レビューをもっと見る