死人狩り (祥伝社文庫)
死人狩り (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
雪風のねこ@(=´ω`=)
浦上が真実に気づいた時、犯人の放った銃弾にとうとう撃ち抜かれてしまったと言える。物語の根底に流れる人物たちの慕情は、浦上にとってまさに皮肉と言えよう。だがこれは、正義というものは人の数だけ存在していることを明確に示している。死人狩りをしてきた過程によって浮かび上がった真実に引き換えラストはあっさり気味だけど、人の執念執着というものは、達成したあとには何も残るものがないのだろう。浦上は刑事を続けることができるだろうか?波間に浮かぶ故人の姿を思い浮かべられる限り、続けられるだろうと思う。
2019/10/04
momi
若干の違和感あり、妻子が無くなったのだから、もっと動揺してとりみだしてもいい気がするが…これは妻の立場としての願望なのでしょうか。「狙撃されたバス、乗員乗客27人全員死亡!!」それぞれの事情…それぞれの人生…。狙われていたのは27人のうちいったい誰??この結末が知りたくて一気読んだ!昭和57年の作品なので古臭さがあるが落ち着いた文章にひきこまれていく作品。
2019/08/28
ばりぼー
伊豆の下田から沼津に向かう定期バスが、散弾銃で狙撃され海に転落、乗員乗客の27人全員が死亡。妻子が乗り合わせて犠牲となった浦上警部補(龍巻の浦さん)が、被害者27人の生前をしらみ潰しに洗い出し、どんな動機で誰が狙われたのかを徹底追及する「ザ・昭和ミステリ」。「男が靴ベラをズボンのポケットに入れて持ち歩いているということは99パーセントまで確かである」(笑)。乗客がみんな後ろ暗い事情を抱えていて、逃避行中の男女、殺人を計画していた者、宝石泥棒の片割れ、桃色遊戯(笑)の高校生などなど、全くなんてバスだ!
2021/09/16
coco夏ko10角
銃弾が撃ち込まれたバスは海に転落し乗っていた27名全員死亡、犯人の狙いは誰だったのか…。亡くなった人を恨んでた人はいないか、なぜそのバスに乗ることになったのかを追っていく。ミステリーは最後にもう少し何か欲しかった。
2020/07/25
T. Mu
昭和57年に刊行されたのは、読み始めてから知りました。少し昔の本でしたが、内容はとても面白かったです。人にはそれぞれの人生があるし、それが運命となって交差する…27人のバス転落事故の被害者たちの運命もその時に…4.0
2020/09/21
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