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赤へ (祥伝社文庫)

赤へ (祥伝社文庫)

赤へ (祥伝社文庫)

作家
井上荒野
出版社
祥伝社
発売日
2019-06-12
ISBN
9784396345334
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赤へ (祥伝社文庫) / 感想・レビュー

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Shoji

死をモチーフにした短編集です。主人公に直接関係する死であったり、主人公に死を匂わせるだけのものだったり。死を取り巻く人間関係が重苦しく、じめじめとしています。私は人間模様を描いた作品が好きなので、一気読みしました。お話はすっきりとしたものではなく、もやもや感は残りましたが、まあ納得かな。

2019/06/18

syaori

死をテーマにした短編集。娘や母、店の客、幼馴染などの近い、遠い人物の死がどこかで語られる作品たちから浮かび上がるのは、死が露わにする生や自分でも気付かずにいた複雑な感情、またその死によって生れ、また失われる繋がり。そして残された者はその様々な思いや生れたもの、失われたものを抱え、過ぎてゆく日々を「生きていくしかない」のだということ。作品たちは「案外しのいでいる」、いくであろうその日々を暗示してもいて、甘く苦い思いが募りました。「ひとりの女の死」の「責を分ち合う」表題作、母の死を語る『母のこと』などが好き。

2020/06/29

けぴ

2016年柴田錬三郎賞受賞した短編集。死をテーマにした10編は、あれっ、ここで終わる? という作品が並ぶ。『時計』『どこかの庭で』『雨』が特に印象的でした。

2023/09/24

kaoriction@感想は気まぐれに

生きてゆくもの。死んでゆくもの。わたしもあなたも彼だって彼女だって、あの子もあの人も。明日、死んでしまうかもしれないし、10年生き延びるかもしれない。「死」を巡る短篇集。秀逸だ。こんな世の中にあって、つくづく、しばしば、考える、生と死と。知らない誰かが今日死んでも、大切な人が明日死んでも、かなしいかな、私たちの日々は「そうこうして、過ぎていってる」。それが、現実。赤へ向かって。ほんとうのことは、誰も知らない。わからない。今日もどこかで誰かが、死んでゆく。そして、生きてゆく。赤へ、赤へ、と向かって。

2020/04/16

coco夏ko10角

死の気配、10の作品収録の短編集。『ドア』『赤へ』『母のこと』が良かった。『雨』同じマンションに暮らしている娘のクラスメイトが自殺、イジメの疑惑が…。もしかしたら近い体験をしている人がいそうだなと。志帆子が少しずつ呼吸しづらくなっているようで読んでて苦しくなったし、この後の展開を色々と考えてしまって。この話が最後なのはすごく重いけどそれだけに印象に。

2024/01/19

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