ランチ酒 (祥伝社文庫)
ランチ酒 (祥伝社文庫) / 感想・レビュー
さてさて
『夜の仕事をしている彼女にとって、ランチは一日の最後の食事となる』という仕事の後の食事の時間を大切に思う祥子。そんな祥子は仕事のことを、別居を続ける娘のことを思いながら日々の生活をひたむきに生きていました。『私は生きているし、健康だ。元気出そう。へこたれてなんかいられない』。次から次へとテンポよく『見守り』対象が、赴く街並みが、そして食の風景が展開する物語の中に、人々の心の機微が伝わってくる丁寧な描写が強く印象に残るこの作品。原田ひ香さんの魅力”全部盛り”の極めて贅沢な読書が楽しめる絶品!だと思いました。
2022/09/17
mae.dat
タイトルからはさ、例えば『孤独のグルメ』の昼呑みバージョンぽいのかなぁとか思ったけど。確かにそんな描写はありますが、結構あっさり目でね。それより主題は主人公である犬森祥子さん自身の事と周りの方々の話でした。深夜に誰か若しくは動物等を見守るってお仕事で(レンタル何もしない人みたい)仕事終わりがランチ頃となるのね。晩酌代わりにランチ酒は分かるけど、家に帰りたくないのを紛らわす為に呑むのは健全じゃ無くておじさん心配だよ。半端な終わり方だったので、続きがありそうと思いました。調べたら、読み順間違えないよう要注意。
2023/01/31
射手座の天使あきちゃん
『見守り屋』という不寝番のお仕事の疲れや憂さも、やるせない人生のしがらみも、ひと時忘れて美味い飯と旨い酒に舌鼓。 これを人生至福のときと呼ばずして何と言う…的なお話を綴った短編集です(笑) それにしてもビールに焼酎、地酒にワイン、ハイボールに老酒とよく飲みますねぇ♪ 「おんな酒場放浪記」の倉本康子さんも完敗(乾杯?)ですね❕ (^_^)v
2021/09/26
rico
わ、これ、お昼前に読むんじゃなかった。午後のお仕事忘れて、ランチの席で「ビール!」って叫んでしまいたくなる。出てくるお店、実在するの?どれもこれも行きたくなるんすけど。・・・って、本題はそこじゃなくて(汗)・・・生きていれば色々ある。主人公の祥子はアラサー・バツイチ。職業は「見守り屋」。自身のこと、依頼主の事情。様々な屈託が滓のように積み重なっていく。それでも、美味しいごはんと美味しいお酒を味わう至福のひとときは、固く縮こまった心をゆるやかにほどいていく。さて、とりあえず動いてみよう。ごちそうさまでした!
2021/11/25
しんごろ
短編というよりは、ショートショート仕立てかな。見守り屋という夜から朝までの仕事をするバツイチの祥子。元夫のもとで暮らす愛娘の幸せを考えつつ、見守り屋の仕事で奮闘する。それにしても、いろいろな人がいるものだ。進藤は男として最悪。まさに反面教師だ。進藤はさておき、いろいろな人を相手にするから、自分にご褒美は当然だろう。祥子の自分のご褒美は、美味しい朝食やランチなどの食事。プラス酒。くぅ~、朝酒、昼酒、羨ましいなあ。仕事、私生活、対人関係、リアリティがあって面白い。久しぶりに追いかけたくなるシリーズ作品。
2024/10/17
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