遠い他国でひょんと死ぬるや(祥伝社文庫み22-1) (祥伝社文庫 み 22-1)
遠い他国でひょんと死ぬるや(祥伝社文庫み22-1) (祥伝社文庫 み 22-1) / 感想・レビュー
きゃる
「骨のうたう」竹内浩三の詩を知った。第二次世界大戦中、ルソンで死んだとされる彼のノートを追う主人公は彼の足跡を辿ろうとする。さぞかし暗い物語だよな、と思ったらコメディ?と思うような展開で読ませてくれる。現地の女性に元恋人。謎の男女二組、財閥の坊っちゃん、拉致された日本人夫婦。民族、宗教や歴史が絡み合って展開が読めないんですけど。面白かった!まさか竹内浩三で笑うとはね
2024/09/10
ちーちゃん
☆3 ラウリクークスを探して、に非常に感心したので読んでみました。社会派の重めの話かと思っていたら、冒険活劇みたいな、展開になり、気楽に読み進めることができました。
2024/01/26
SOLVEIG
どんなジャンルを書いてらっしゃるのかも知らない初めての作家さん。手に取ったのは〈竹内浩三の幻のノートを追って〉というところが気になったから。社会派小説とは思わず、竹内浩三の影を追うミステリ系を想像してたので、最初はかなり戸惑った。しかし「浩三の話はどこ行ったんだ!?」と思いながらも、いつの間にか引き込まれてたようで、気付けば「なかなか面白かったな」と思いつつ読了してた。戦争の記憶。フィリピンの今。普段、こういうテーマの物はまず手にしないので「時々はこういうのも読まなきゃ」ないい機会だったとも感じてる。
2023/05/19
縁川央
ヤングジャンプで連載してそう。――以前も彼の小説を読んで、アフタヌーンで連載してそうとか思ったけれど、そういう漫画的要素を感じてしまう。現実の延長のような舞台でありながらも物語はフィクション的な展開をする。テンポもいいし、そうはならんやろという展開をご都合主義的と思う反面、それが自然な展開にも思う。そしてキャラクタがみんな立っている点も漫画的だと感じてしまうのだろう。 フィリピンが舞台で、戦争の歴史と、現地の人間と、現代日本で暮らす自分と、現在の現地の情勢と、一見重たいテーマなのにどこかさわやかだった。
2023/04/13
こまいぬ
詩人の謎を追う文学史ミステリなのかなと思いきや。ちょっとずつ出てくるエピソードが全部伏線回収されていく、とにかく全部盛り。SF、ミステリー、歴史、文学、民俗学、おまけにハードボイルド、海外冒険小説でもあり。現代社会批評な面も、キャラクター小説的な部分もあり。著者の他の小説も読んでみたくなった。
2022/09/14
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