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「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか

「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか

「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか

作家
津田大介
日比嘉高
出版社
祥伝社
発売日
2017-07-02
ISBN
9784396616113
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「ポスト真実」の時代 「信じたいウソ」が「事実」に勝る世界をどう生き抜くか / 感想・レビュー

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Piichan

日本の既存メディアは、東京一極集中、記者クラブ制度などでエリート性がきわめて強く、大衆は自分たちに寄りそってくれるメディアとしてネットメディアに期待していたところがあったと思いますが、大衆に寄りそうのはものごとを単純化・エンタテインメント化して伝えてしまうリスクをともないます。利益を上げにくいインターネットではネットメディアがゴシップメディア化するのは当然のことでした。

2018/01/01

猫丸

金が欲しい人が手っ取り早く日銭を得る手段としてフェイクニュースを垂れ流すチャンネルを作る、という手がある。食い詰めた状態とか、もともと無い才能を繕う、あるいは深刻な劣等感に悩む、などを一挙に解決できる契機ともなる。オレが悪いんじゃない、悪いのはアイツらだ。子供の論理であるほど強い伝染性をもつ。情報を金銭に変える企業に関してはある程度の制限が必要、との論調が出てくることが予想されるが、著者二人とも表現を法的に規制する方向は根本的に間違いであるとする。同感である。悪をなす者と個人的に向き合うことが重要だ。

2019/05/13

さえきかずひこ

良い本だと思う。しかしこれだけTwitterというテクノロジーにドライブされる世の中が来るとはぼくも思っていなかったな…と感慨深く思ったり…といってもたった10年前の話ですけどね。巻末の対談があっさりしていて物足りない感じがする。友人が変な思想に染まったと気づいたら実際に会って話をしてみよう、という提言はうなづけるけど、実効性はあるんだろうか。日比さんも津田さんもヘイトスピーチなどの法規制はしない方がよいと考えているみたいなので、こんな感じのまとめ方になるんでしょうね。

2017/11/14

とみぃ

2016年、オックスフォード英語辞書が今年の言葉として選んだのが「ポスト真実(post-truth)」だった。「世論を形成する際に、客観的な事実よりも、むしろ感情や個人的信条へのアピールの方が影響力があるような状況」を指す言葉ということで、イギリスの国民投票、アメリカの大統領選挙などで、一躍脚光を浴びた言葉とのこと。こうした状況の要因として、(1)ソーシャルメディアの影響、(2)事実の軽視、(3)感情の優越、(4)分断の感覚、が指摘される。日々の疲れと憂いと怒りと投げやりが、そこにあるようにも思った。

2019/04/14

嘘ではなく、事実が多すぎることが問題だという。これは見る角度によって、存在の有無も程度も違ってくる「学校のいじめ問題」に置き換えて考えるとわかりやすい。現地で経験した出来事でも、端から決めつけた仮説ありきならば、「事実」はいくらでも歪められる。「科学」よりも「信仰」が勝つ時代を乗り越えるために、今は試行錯誤の段階なのだろう。

2017/11/17

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