ふたたびの虹
ふたたびの虹 / 感想・レビュー
ぶんこ
こちらのシリーズが大好きで、次回作を楽しみに待って全作品読破したのはかなり前です。 女性一人で営む夜のお店というと、客筋が心配になりますが、丸の内という事で会社員が殆ど。 周囲に飲屋街も無いので酔っ払いの一見さんが入ってく確率も低いし、理想的だと思いました。 そんなお店に現れるお客さんの心配事に、さりげなく手を貸す女将さん。 全てにおいて、さりげないというところが女将さんのいいところでファンになってしまいました。
2015/10/16
も
丸の内のオフィス街にひっそりと店を構えている「ばんざい屋」。女将の吉永は口数少ないながらも、常にお客様にさりげない心配りをしている。すごく魅力的なお店だし、吉永さんの人柄なのか、穏やかな空気で包まれた作品でした。彼女の過去は本当に波乱万丈でしたけれど、お見せも女将もたくさんの人に愛されていて、心が温まりました。続編も読みます。
2016/03/27
みっこ
先日お店もの×ミステリーの作品は、どれも二番煎じのように思えて楽しめない、というような感想を書いたのですが…。早速撤回します。そうとは限らない。これはすごく好きな作風でした。でも何が違うかと問われたら、ちょっと困ります。。お店ものブームが来る前の作品だから?旬を大切にした京料理が魅力的だから?骨董や食器など、興味があるものが出てくるから?どれも当てはまるけど、決定的な要素は見つからない。強いて言えば、丁寧な作風が好きだからかな。女将さんの控えめで優しい人柄が素敵でした。過去が思った以上に重くてびっくり…!
2015/10/15
nyanco
『ばんざい屋』の客に関わるミステリー、クリスマス嫌いなOLへの「聖夜の憂鬱」のおかみの優しさが好き。特に人の生死にかかわる時に、必死になる女将の姿…、私のような間違いをしては…と思うおかみの真摯な姿、ファン度が増してしまいました。彼女の過去、パリでの話が明らかになっていきます。古道具屋の主人・清水の過去も語られ、こんな過去を持つ彼らが淡い思いのままでいる、この感じが歯痒くもあるのですが、どろどろ感がないのがとても良い。未読の方、『竜の涙 ばんざい屋の夜』も合わせてオススメです。
2010/05/21
としあきオルタ
高層ビル林立する東京丸ノ内の片隅、京都料理おばんざいと築地で仕入れた旬の料理のばんざいや。自分を多く語らない少し謎めいた女将の吉永がお客の日常の謎を解いていく。…と言いつつミステリー要素は置いといて、おばんざいに込められた京都人の必要なもの、旬のものを戴くという節約、合理性の美徳。日常使う道具に宿る古道具(ブロカント)の良さに感銘を受けました。所有物に心を砕きすぎては本末転倒。虹は掌に掴むものではなく、空に見上げてその向こうに何があるか思いを馳せるくらいで丁度いいのです。(#^.^#)
2017/11/07
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