幻想建築術
幻想建築術 / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
「馬鹿な これが神の墓だと?」神学生アウレリウスは呆然と眼前の柩を見つめた。唯一無二の至高神を祀り、千年の間平和を保ち続けてきた都。その聖地である大聖堂に万象の創造主であり姿形のあるはずのない神が眠っているというのだ。くしくもアウレリウスはかつて検邪聖省なる謎の組織によって行われた異端撲滅運動の歴史を調べ始めた矢先の事だった。
2002/09/24
miroku
この世は、かりそめの夢か・・・。 蜃気楼の如き物語。
2011/01/14
RIN
篠田さんらしい眩惑的な幻想小説。短編連作で繋がっているようなないような、オチがついたようなついてないような・・・。『龍の黙示録』シリーズ的なテイスト。ふにゃっとした読み心地だが、これはこれで美味な小説。
2012/04/02
さいと
幻想文学を読むのことは、酩酊することに似ていると私の読書友達は言う。私は残念ながら酒に酔うことができないのだが、この本を読むと酩酊するということが分かる気がする。都の中でのいろいろな人々の群像劇がいつしか一つの夢へと集約する。なんてみごとな酩酊感だろうか。
2011/07/11
堆朱椿
宗教が支配する「都」の人々の、冷たく耽美で幻想的な物語。キ●スト教モチーフ好き、神秘・幻想好きにはとても美味しい。でも、かなりのディストピア。食べやすく甘美だけど毒のある果物のような本でした。くらくらします。
2014/08/07
感想・レビューをもっと見る