厭な小説
厭な小説 / 感想・レビュー
sk4
読書メーターのレビューなんかで「読後感が良く・・・」「読後感は悪い・・・」などの感想を、よく見かけますが、この『厭な小説』の読後感の悪さはハンパない。いや、読後感だけではない。いくつかの短編に分かれているのだけど、どの話も冒頭から、読み進めていくうちに、つまりどこをどう読んでも「厭だ」。 ・・・しかし不思議なのは、あまりにも「厭さ」を徹底してるからか、気分が悪い中にも、ある種の清涼感がある。これがあの伝説の『他人の不幸は蜜の味』? そういう意味では、私自身はそんなに「厭」ではなかったです。ヒヒヒ・・
2012/06/24
PSV
たとえば、一本500円で売ってる大根があったとするなら、それは高い大根だ。それと同じで、面白い小説があればそれは面白い小説だし、睡魔を誘うようならつまらない小説。そして、読んでて厭な気分になる小説があるなら、それはまさしく「厭な小説」だろう。そして本作は、「厭な小説」と名乗っている以上、読者を厭な気分にさせなければならない。そういうハードルを掲げてしまった小説だ。個人的には、そのハードルは、余裕で超えているように思うのだが、果たして。 ★★★★☆
2012/06/06
やも
この本すげー年季入ってる…なんて思ったけど、これ印刷なの(☉。☉)!虫挟まってんじゃん…なんて思ったけど、それも印刷かよ(゚ο゚人))💦なんて思ってたら、これ最終話に意味が分かってヒッ😱ってなるやつだ😱⚡「厭だ」で始まり「厭だ」で終わる連作短編7話。人間が本質的に嫌がるとこを、とことん突いてくるようなまさに厭な話。ずっと肝試しをしているような感覚になった。ホラーやイヤミスは得意じゃないんだけど、読んでしまったというか、京極さんに読ませられたというか😁めくるめく戻れない恐怖、堪能しました!!★4
2021/11/24
にいたけ
京極夏彦さん、初読み。初読みがこれでいいのか?「嫌な状態」というのは「気持ち悪いがまだ何とか耐えられるあたり」のことを指すのだと納得した。それが繰り返すと「耐えられない」ということになる。嫌という字がこれでもかと登場する短編集で嫌なことがその装幀にも溢れている。チープな紙質日焼けしたかのようなページ周辺。虫までいる😣その凝った嫌さは古本価格をも欺くことが出来る。ブクオフ110円なら欺けたと思うがどうか💦
2023/09/12
美羽と花雲のハナシ
古びた表紙、虫の死骸が張り付いたページ、薄暗い色。内容に合わせて装丁が良い味を出している。もちろん仕様です。7つの話による連作短編集。短編の共通部分には深谷という男が出てくるのだが、それ以外は完全に独立している。最後の「厭な小説」は見物。今までの話が再集結し後日談と世界の秘密が明かされる。タイトルの通り、厭な小説だった。生理的に不快で気持ち悪くて読後感も最悪。どこまでも救われなくてどこまでも厭な気持ちが付き纏ってくる小説だった。「厭な扉」を読んで既視感を覚えたが、なるほど世にも奇妙な物語の原作に当たるのか
2011/11/23
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