遊び奉行
遊び奉行 / 感想・レビュー
藤枝梅安
「軍鶏侍」シリーズの外伝、というかプロローグともいえる作品。園瀬藩主・九頭目斉雅の側室の子・亀松は16歳で元服し永之進と名を替えた。斉雅は正室の子である次男に家督を継がせ、永之進にある密命を与える。永之進は親戚の家老の娘と結婚し、家老職を継ぐ。一亀と名を替え、「愚兄賢弟」を装い、父の密命を果たすべく、密かに動く一亀。信頼できる藩士を選び抜き、じっくりと準備を進める。物語自体の進みが遅く、イライラする読者もいるかもしれないが、それこそがまさに筆者の狙いであろう。
2013/04/25
ベルるるる
軍鶏侍を既に読んでいて結末を知っているから、どうにも間延びの印象がある。この内容を長編にする必要があったのかなと思ってしまう。こちらを先に読むならいいのかもしれない。
2018/10/21
きりこ
「軍鶏侍」のスピンオフ作品らしいということなので、源太夫や権助の登場を期待していましたが、ほんの僅かでちょっと物足りなかったです。でも「軍鶏侍」と話が繋がり、なるほどそういう背景があったのか…と「軍鶏侍裏話」として愉しめました。ただ10代で家老職になる一亀は、老成した人物のように描かれていて、若者らしい爽やかさが感じられず、人物造形には少し違和感がありました。それにしても面白い役職があるものだなぁと思いました。武家社会には珍しくお気楽で美味しい仕事なのかも。
2013/04/02
onasu
「軍鶏侍」には、そう繋げましたか。というか、「軍鶏侍」では、ここで描かれた藩政刷新劇の内、源太夫の関わった部分のみが著されていた、という図式です。 源太夫の登場を期待していた向きには残念。ちょっい役ぽいし、出てきても無口だし。 「軍鶏侍」と本書、著者は、どういう構想を描いていたのでしょう。筆致としては、「軍鶏侍」に軍配です。妾腹の長子が大殿の密命を受けて臣下に降り、愚者を装い、探索すること4年。構想もいいし、役者もまずまず。なんだけど、表現があざとい。 悪くはないが、期待して読んだ割には…です。
2013/04/26
あかんべ
この本を読んで新人賞をとった「軍鶏侍」もよみたくなった。岩倉源太夫が主役だそうだ。この本では頼りになる無口な男となっているがむざましい活躍はない。今回は一亀中心に話が進み毒にも薬にもならない凡庸に思えられるように、ふるまうが藩内部に大きくメスを入れるための作戦。が、悪役の加賀田屋の正太郎がもっと悪活躍すれば、手に汗握る展開だったのに、ちょっとおとなしすぎた。
2015/05/09
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