スーツケースの半分は
スーツケースの半分は / 感想・レビュー
紅はこべ
私は旅に出る方ではない、定期的に訪れたいような好きな外国都市もないし、バックパッカーも向いていない。そもそも旅行用荷造りが下手。お土産選びも下手。小説を読むのが私の一番の外国旅行。そんな私にさえ、この四人組の女友達プラス獣医と大学生母娘の旅は、時に失望や失敗を伴うとはいえ、心地よく見えた。それぞれ、現在に安住せず、一歩踏み出す勇気を持っている。私に欠けているものだな。近藤さんはイヤミスも巧いけど、こういう爽やかな読後感の小説も届けてくれる。
2016/07/13
takaC
最後の黒服女性は優美でしょうか?なんとなく『トラベリング・パンツ』を彷彿させられながら読んでいたので、第七話でブリジットが出てきた時には息を飲んだ。(笑)
2016/09/01
たんぽぽ
青いスーツケースを持って旅に出る。不安、自己嫌悪…いろいろなものを抱えて旅立った女性たちは心が軽くなるような何かに出会う。 問題が一気に解決するわけではない。でも、心持ちが変わるだけで人生は変わっていく…読後感のいい話だった。 いつも思うんだけど、女性作家が書くだめな男の描写は辛辣だ。アブダビに旅した余田(つまんない奴、チッチェー男だぜ)、和司の兄の自堕落なしょうもなさ(こういう奴は、一生だめなままだろうな…)→コメント欄へ
2015/11/04
冴子
旅行に持ってきて楽しい気分で機内で読了。表紙にある素敵な青いトランクを巡る9つの物語。女性にはそれぞれの生き方があり、それを幸せと感じるかどうかは人それぞれ。トランクが届くことになる経緯もまた素敵なお話。バックパッカーまがいの旅ができる人を羨ましいような、怖いような。ドイツで出会った真っ白なフクロウの話も、弾丸ツアーのようなパリの取材の話もそれなりに楽しめました。私の旅も明日で終わりです。
2016/03/24
hiro
青い“幸運のスーツケース”にまつわる9編の連作短編集。近藤さんの本は15冊目だが、ミステリーやスポーツ小説以外の作品は初めて。きっと作者を知らずに読めば、きっと近藤さんの作品だとは分からなかったと思う。第一話に登場する大学時代の友人どうしの女性4人だけなく、いろいろな人と世界のいろいろな土地を青いスーツケースは旅をする。そして、この青いスーツケースを持って旅をした人、またかかわりを持った人の人生を変える変化をもたらしていく。そして最後の二話は…。奇跡的なつながりだが、それは“幸運のスーツケース”のゆ。
2015/10/25
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