吹けよ風 呼べよ嵐
吹けよ風 呼べよ嵐 / 感想・レビュー
ナイスネイチャ
図書館本。川中島の戦いは第4次の戦いしかほぼ知識としてはなく、勉強になりました。伊東潤さん得意?の弱者の生き様を描いてました。圧倒的な情報量を基に躍動感溢れんばかりの筆力で引き込まれました。
2016/04/16
yoshida
武田家の北進で翻弄される北信濃。国人領主である須田家も分裂。主人公である須田満親は村上義清に従い、越後長尾家を頼り捲土重来を期す。川中島合戦がピークなのだが、物語に起伏が少なく読むのに時間がかかった。諸悪の根元を武田信玄に求めているのも苦しいかな。結局、室町幕府の権威も失墜し、新たな権威が出来るまでは領土争いは続くのであり、一戦国大名が乱世の原因ではない。大義名分としての「義」は大事かもしれないが、それで実利はとれないもの。北条家の民政を評価する表現に作者らしさを感じた。個人的には他の作品の方が好みです。
2017/10/08
とん大西
須田満親-なんとか名前だけは記憶のスミに残っている北信濃の土豪。伊東作品のいいところは、歴史の大きな流れの中で僅かな光芒を放つ人物でも魅力的に仕上がっているとこだと思います。信玄率いる武田軍の侵略で領土を追われた満親。故地回復と実父の仇。胆も太く知略にも富んでいた満親だが、武人としてのアイデンティティは未だ熟さず。「何故、我らは戦わなければいけないのか」…。大勢力中勢力の狭間で生残をかけた戦国の世。静謐を望む満親の人間臭い葛藤に好感が持てます。謙信との邂逅で覚醒する武人の矜持。そして、舞台は川中島へ-
2019/06/01
takaC
借りてる期間中に読み終えられず返却した負い目を払拭すべく仕切り直し。およそ2年ぶりのため最初から通読。面白いのだこれが。
2018/10/17
そうたそ
★★★☆☆ 川中島の戦いって、武田信玄と上杉謙信の戦いというイメージはあるが、それほど詳しくは知らない。本作はその川中島の戦いを、若武者須田満親の視点から描き出す一作。じっくり調べあげられたのであろう膨大な情報量と、一方でただ説明に終止せず躍動感をもって戦国の世を描き上げる筆力。いつもながら著者の力量には感服するばかりである。敢えて視点人物を脇役的な人物にするという手法は最近の著者の作品に多い気がする。今までにない、川中島の戦いを描いた歴史小説だが、ストレートな作風を好みとする人には合わないかも。
2016/04/15
感想・レビューをもっと見る