それでも、陽は昇る
それでも、陽は昇る / 感想・レビュー
starbro
真山 仁は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。震災三部作完結編コンプリートです。10年経ってもまだ復興半ば、ノンフイクションの様でもどかしい小説でした。これが実態に近いんでしょうね。 東日本大震災が完全復興する前に、気候変動等により新たな災いが発生するかも知れません。 https://www.shodensha.co.jp/mayama/
2021/03/21
KAZOO
震災三部作の最後のものです。主人公は東北での2年の臨時教師を務めあげ、また関西に戻ってきます。そこでも震災にかかわる仕事をしますが、被災者に本当に寄り添うということはどのようなことなのか、ということに悩みます。また東北も復興していくのですがそれが現地の人々のためなのか、ということにも疑問を持ったりします(作者の気持ちなのでしょう)。難しいのでしょうが、今後も続けて出版していってほしい気がしました。
2024/06/26
みかん🍊
震災三部作完結編、あの日を忘れない、復興という言葉が3.11にしきりに報道された、しかし被災者の中には忘れたい、思い出したくない人もいる、道路や建物を新しく作って復興が終わった訳ではない、被災地、被災者と言う言葉に違和感を感じる人もいる、自然災害の多い日本は地震、台風、大雨様々な被害があり、被害者が多かった土地だけが被災地ではない、復興に絡んだ様々な問題を描きながら、これからに生かす事、伝承をしなくてはいけない事を考えていかなければならない、東南海地震の可能性がある地に住むので決して他人事ではない。
2021/03/16
モルク
震災三部作の完結編。阪神淡路大震災の後その経験を生かして応援教師として出向した小野寺が神戸に戻った2013年からを描く。「誰のための復興なのか」建物が新しくなり整備されたように見える被災地。しかし被災者の心は癒えてはいない。心に沿った支援復興でなければそれは形だけのもの。「復興五輪」という見せかけの言葉も腹立たしい。復興の人材資材が五輪に回され招致のための合言葉になってしまった。昨今災害は多い。その地に合った支援が必要だ。被災者ファーストの復興でなければならない。
2024/04/28
Ikutan
東日本大震災の被災地の小学校に応援教師として出向いた小野寺先生を主人公にした震災三部作。完結編。阪神淡路大震災で妻と子を失い、茫然自失だった先生は、出向先の小学校でたくさんの出会いを経験し再生した。が阪神の体験を整理できていないことに気づき、神戸に立ち帰ってリスタートを始める。年月が経ったことで新たな問題も浮上。借り上げ復興住宅からの追い出し訴訟や予備知識のない傾聴ボランティアのリスク、今なお存在するPTSDなど様々な問題が提起されていて考えること多し。防災基準に対する結果責任という言葉も重く心に残った。
2021/07/26
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