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蹴れ、彦五郎

蹴れ、彦五郎

蹴れ、彦五郎

作家
今村翔吾
出版社
祥伝社
発売日
2022-07-12
ISBN
9784396636272
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蹴れ、彦五郎 / 感想・レビュー

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starbro

今村 翔吾は、新作中心に読んでいる作家です。 戦国時代の脇役たちが主人公の連作短編集、オススメは表題作『蹴れ、彦五郎』&『晴れのち月』&『狐の城』です。 短編ですが、どの作品も読み応えがありました。 https://www.zusyu.co.jp/works/detail.php?id=76

2022/09/20

しんごろ

何をやらせても木村拓哉は木村拓哉なら、何を書かせても今村翔吾は今村翔吾。そんな感じの短編集。珍しくホラーっぽいもの、ショートショートなものもあった。全体を通してこの短編集のキーワードは“才”ということか。この才が、今村翔吾が描くかっこいい漢達の原点ではないだろうか。そして、この短編集が今まで発表された物語の土台であると思う。そして、いつも思うのだが、今村翔吾はあとがきまで楽しませてくれる。読者を楽しませてくれて、何度でも再読したくなるような短編集。うむ、どの作品も今村翔吾の描く漢はかっこいい。

2022/07/31

旅するランナー

あとがきで作者本人が書いてる通り、初期短編集。デビュー前の作とは思えないほど感動できる表題作を始め、粒揃いの8編。いかなる生まれかにかかわらず、人にはそれぞれの才がある。戦により摘まれることなく、存分に才を振るえる世がいつの日か必ず来る。底流に流れる、そんな英雄たちの思いが伝わる、熱き人間賛歌にジ~ンときます。今川義元の息子(氏真)、織田信長の孫(三法師/秀信)、太田道灌の純愛、武田信玄の息子(義信)、北条四兄弟の末っ子(氏規)など、新たな視点で描かれる、それぞれの素晴らしい生きざまにキュンキュンします。

2022/10/02

パトラッシュ

戦国や幕末の乱世にあって際立つ才を持ちながら、時代の求めに合わなかったため下手な生き方しかできなかった面々を描く敗北者列伝。今川氏真や北条氏規は先が見え過ぎて周囲に受け入れられず、織田秀信や武田義信は実力第一の世であまりに優しく情け深く、太田道灌や秋山平十郎は自分を信じるあまり引き時を誤った。逆に間部詮勝と由良勝三郎は、若き日の記憶に老いてから揺さぶられる。過去作品で登場した石田三成や松永久秀もだが、著者の眼差しは歴史の流れに抗って果敢に生きた姿に注がれるのだ。生きづらい現代にある者として考えさせられる。

2022/08/12

hiace9000

戦乱と生死の狭間に生を受け、世を思い、命散らした数々の戦国武将たち。今村翔吾のフィルターに彼らを通すと、その誰もが弾む躍動感と煌きをもって目の前に蘇り、今を生きる我々の心の中に息づき脈動し始める。己の「才」とは何か、「使命」とは何か、「義」とは…それを活かし、自身も人をも生かす道を模索する作者自身の生き様こそが、熱い言葉となり迸る。「シビレエイは自分が痺れているからこそ、他人をシビレさせることができる」とは、かのソクラテスの言。初期作品集と侮ること勿れ!短編・掌編全てに今村作品に通底する哲学が熱く脈打つ。

2022/09/19

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