致死量ドーリス (Feelコミックス)
致死量ドーリス (Feelコミックス) / 感想・レビュー
なる
クリスマスとはほぼ関係ないけど、絵柄が好きでクリスマスシーズンになるとこの人の作品が何かしら読みたくなる。画集のような華麗なデザインで描かれる恋愛。モノローグの一つ一つが詩のように際立つ。あやうくて刹那的な物語ではあるけれど、時にはクラシックの旋律、時には暴力的なロックが紙面から流れてくるような感覚に陥って多幸感が得られる。実際これに似た体験をしているのもあってたぶん自分の血液の何パーセントかはこの人の作品で構成されている気がする。書いてる文章も影響を受けてるかもしれないなあ、と読み返して思いましたとさ。
2020/12/15
り こ む ん
再読。不安定というか…なんともふあふあした物の上に立っているかのような世界観。彼女の回りだけ空気が違う。魅力的で引き付けられるのだけど…怖いかも。
2013/11/28
emi*
ブックオフで出会いました!楠本まきさん、ハマります。退廃的とか刹那的、って言葉がぴたりと当てはまるのでは。20代の、愛や恋にのめり込み のめり込むが故に周りが見えずに暴走してゆくさま。このふたりは極端だけれど、なんとなくわかるような気もしました。台詞の言葉の使い方選び方、画同様 お洒落。
2016/04/30
なる
鼻腔の奥に血の匂いがする。吐く。血痰が混じっている。大気が妙な匂いをしはじめる。魂の重さが21グラムだとすれば心の重さはどれくらいなんだろう、と言った。わたしにはわからない。わかるのは今のこの境遇にはまだ光は見えないこと。先なんて最初から期待していない。そんな夢をみていた。夏の憂鬱。夏は季語ではなく、栄えていた頃のこと。あいしている? ところでそれは、憎んでいるということとどう違う? わたしは誰にもあいしているとは言えない。うなじの感触。匂いがまだ残っている。これまでも、これからも。そんな物語だったよ。
2021/11/11
ゆう
10代のある時期、楠本まきの作品に焦がれた。圧倒的な画面美。知的なプロット。現代詩のような緊張感あるモノローグ。そして登場人物たちの人形のように美しい身体。美しくない自分を憐憫で甘やかしながら、彼女の作品に登場する少女の髪の毛一本の角度まで羨ましくて、何度も何度も作品を読んだ。そして私も蜜に出会った。ドーリス。無防備な剥き出しの神経を守ってくれる器を必要とし、その頭の良さから終には器そのものと化した彼女。憧れ続けた楠本作品の中に、初めて自分に繋がるグロテスクを見たのだった。全ての少女たちに読んでほしい傑作
2020/02/27
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