天国と地獄の離婚: ひとつの夢
天国と地獄の離婚: ひとつの夢 / 感想・レビュー
きゅー
ウィリアム・ブレイクの『天国と地獄との結婚』に触発された一冊。地獄から天国への巡礼がファンタジックに語られている。彼のキリスト観は人間の主体的な選択が天国へと向かわせるという考えであり、そのことは本文中で何度も取り上げられている。また、選択した結果に対して自身の存在をすべて賭けるという意味では当時隆盛していた実存哲学の影響も濃いように思われる。彼の思想がどのような位置づけされるのか分からないが、自身の人生の選択権が己の意志のなかにあるとする彼の思想は、なまじっかな相対主義などよりもずっと力強く感じられた。
2013/04/18
nakatake
「自然な感情というものはすべて、それ自体では、高くも低くもないし、神聖でも不浄でもないんですよ。神の御手に統御されているときは、それはすべて神聖です。が、独り立ちして自らを偽りの神とするとき、それはことごとく腐敗してしまうのです。」ということばが印象的。
2009/07/15
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