トリスタンとイゾルデ (ワーグナー・ペーパーオペラ)
トリスタンとイゾルデ (ワーグナー・ペーパーオペラ) / 感想・レビュー
おとん707
新国立劇場の「トリスタンとイゾルデ」を観に行く予定なので予習として再読。長大な詩を味わうように一気に読んでしまった。第二幕の「しかし、私たちの愛とは、トリスタン、とイゾルデという名ではないかしら?この『と』という優しい言葉。それが結んでいる愛のきずな、トリスタンが死ねば、死はそのきずなも壊してしまいはしないかしら?」というイゾルデの言葉は終幕にイゾルデが歌う「愛の死」に繋がる。『と』は単なる並列助詞ではなく、ふたりの愛がふたりの生死と分かちがたいものであること、つまり「愛の死」の結末を既に暗示していた。
2024/03/12
林檎依存症
優秀な騎士トリスタンと、彼に許嫁を殺されたイゾルデ。復讐心を押し込め、彼を助けた彼女だったが、彼はイゾルデを伯父・マルケ王の妃にしたいと彼女の元へ戻ってきた。この上ない恥辱に、彼女は彼に復讐し、自らも死のうと二人で毒を飲むが、それは侍女がすり替えた媚薬だった――。王妃に横恋慕する騎士。そして死に取りつかれた二人の話。オペラ版なので、登場人物や展開が原作とは異なるみたい。それもあってちょっと読みづらかったけど、多分原作よりもこちらの方が個人的に好きな気がする(原作未読だけど…)。何より挿絵が美しかった!
2013/09/17
ミラコ
原作を読了後に読んだ。オペラの本だから終始自分たちの気持ちを強く歌っている。おかげで登場人物の気持ちがダイレクトに伝わって来て、トリスタンとイゾルデの愛し合う心と、周りの気苦労とがよく伝わる。王の悲しみも。 オペラのトリスタンとイゾルデを見たくなった。これを読んだ今なら倍楽しめる。 あと、当然ながら絵が美しいです。昔の外国の絵本みたい。
2017/05/16
NOB
天野さんの表紙に惹かれて。
2017/02/02
おとん707
ケルト伝説をもとにしたワーグナーの自作台本をペーパーオペラとして本の上で舞台を再現したユニークな企画本。オペラの解説本を読むのと違い文学作品として情景を頭に浮かべながら鑑賞することができる。要所に配された天野喜孝の挿絵も舞台の上の劇を彷彿とさせる。本来は心美しい人々が思い違い、すれ違い、結果的に傷つけあう悲劇。死のみが官能の安らぎを与える。次は劇場で観ようと思う。
2019/01/19
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