地下の国のアリス (挿絵=キャロル)
地下の国のアリス (挿絵=キャロル) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
本作は、著者が「不思議の国のアリス」を出版するにあって、アリス・プレザンス・リデルの誕生日に贈られた、この世でたった1冊の本を元に、その物語と、一般向けに出版するための経緯(変更箇所等)を、著者自身が解説している1冊である。現在の「不思議の国のアリス」になるまでの試行錯誤が描かれており、興味深かった。ちなみに原本は、現在、大英博物館にて厳重に保管されている。
2014/05/14
お涼
『不思議の国のアリス』のもとになったお話。ハチャメチャ感は少なめなので読みやすかった。これが即興に近い形で作られたというのが驚き。最後の解説が良かった。【図書館本】
2019/11/03
evifrei
不思議の国のアリスの原本にあたる。所謂子供病院で病に苦しむ子供たちが、一時でも笑顔になれる様にとのキャロルの意思で出版された。概ね不思議の国と同じ筋書だが、アリスに捧げる詩やお茶会・そのメンバーは登場しない。その他イモムシとの会話後に食べる茸が笠と茎になっていたり、クロッケーの木槌がフラミンゴではなくダチョウだったりと細部は異なっている。しかし何より注目すべきは、キャロル自身による挿し絵だ。巧いとはいえないのだろうが、繊細で優しい絵は作者の人となりを想像させる。純粋な者に対する純粋な愛情が溢れる作品だ。
2019/11/27
袖崎いたる
さくーっとしたアリス。キャロルめっちゃいい人な雰囲気が伝わる本。(じっさいは偏屈なところがあったらしいが。)解説を書いている安井泉さんが大発見をされていて、そちらはミステリー仕立て?になっている。
2019/11/14
らびぞう
「不思議の国のアリス」の原形となる本。この物語は、キャロルの勤めるオックスフォード大学の学寮長であるリデル教授の次女であるアリスにプレゼントしたものである。素晴らしい天気の午後、テムズ河で舟遊びの道すがら、アリスにせがまれ、語ったお話が、この本。お馴染みのチェシャ猫やティーパーティはないけれど、お馴染みの「私を飲んで」の身体が大きくなったり小さくなったりのシーンや、クリケットや、白いバラを赤に塗るシーンもあり、こちらの方が、素朴な感じがした。また、挿絵と装丁もステキだった。
2017/08/17
感想・レビューをもっと見る