母親幻想 改訂版
母親幻想 改訂版 / 感想・レビュー
中年サラリーマン
著者は言う、「母親」なんて幻想であると。女、そして男もある幻想を信じたとき「母親」というものが存在しえるのだ、と。しかし、幻想にはもちろん前提条件が存在する。そして、今その前提条件となるものが次々と崩れてきている。そのため母親というシステムに男も女も苦しみはじめている、と。その前提条件はなんなのかを明らかにしながら、このなんだかチグハグな僕らの生活に一味違った視点を届けてくれる良書。
2014/08/09
滝原夏希
まずこの本が1998年初版ということに驚いた。 その時代からおおっぴらにこのような発言をする人物がいたのだ、と。 実際反発もたくさんきたとあとがきにある。 「母性ふくめ人間の本能はすべて壊れており母性愛というのは社会的に要請された共同幻想にすぎない」という主張。 あるいは文部省(当時)などいらない、学校教育などなくしてしまえ、という主張。 日本人はみなマザコンで甘ったれているから戦争に負けたという主張。 一見、過激なことを、と感じるがよく読めばなるほど、と思う部分も多い。楢山節考の解釈も独特。
2018/09/14
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