ニジンスキー 神の道化
ニジンスキー 神の道化 / 感想・レビュー
ぐうぐう
ニジンスキーは、奇跡と呼ばれた跳躍が動く映像として残っていないことと、彼の精神が何人にも及ばぬ世界へ飛翔してしまったがために伝説となった。私達は彼の肉体が起こす跳躍を、彼の精神が向かおうとした先を、想像するしか術がない。しかし鈴木は、伝説をなぞるだけの伝記を描こうとはしない。これまで通説とされたエピソードを数々の証拠から書き換え、また噂話や逸話よりもバレエからニジンスキーその人に迫っていく。ゆえに私達は、修正と補完のこの伝記から、ニジンスキーのリアルな跳躍をそれぞれのまぶたに描くことができるのだ。
2009/05/05
kokekko
伝説的な男性舞踊手ニジンスキー。本当の所彼は一体どんな人だったのかを、鈴木晶氏なりの考察でおおまかに知ることが出来る一冊。ダンスマガジンに連載されていたものの加筆修正版なので、短い章立てになっていて読みやすい。「ニジンスキー」という名前が気になる人が最初にとっつくのによさそうな一冊。バレエ・リュス作品の写真が見たければ『バレエ・リュス、その魅力の全て』の方がお勧め。学術的な伝記が三冊、参考文献として紹介されていたけれど、邦訳されていないのが悲しいところ。
2010/05/12
はるまき
伝説のダンサー、ニジンスキーの人生を追った一冊。単なるニジンスキー伝ではなく、彼に関わった人物や作品から多角的に彼の人生を検証していく構成がとても面白い。中でも、コレオグラファーとしての彼の実態を具体的に知ることが出来た点が一番良かった。参考文献が宝の山。
2014/03/24
sasha
ニジンスキー振付によるバレエの検証は具体的であり、再現についても興味深い。しかし、評伝としては物足りない。何がニジンスキーを狂気に追い込んだのか。それは読み手が想像するしかない。
2011/05/09
Aoka
よく考証してあり、わかりやすかったです。イメージでしか知らなかったニジンスキーの人物について、具体的にわかりました。
2010/05/13
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