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嘘だらけのヨーロッパ製世界史

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

嘘だらけのヨーロッパ製世界史

作家
岸田秀
出版社
新書館
発売日
2007-02-01
ISBN
9784403231063
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嘘だらけのヨーロッパ製世界史 / 感想・レビュー

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mazda

作者が思春期に敗戦を迎え、それにより劣等感のようなものを感じたことからこのような本を書いたようです。元々アフリカの黒人が優勢で、追いやられた白人は、寒くて土地のやせたヨーロッパにいかざるを得なくなり、やがて時がたったころ、その恨みをはらすべくアフリカを植民地化していった、というような内容です。あながちウソでもないかな、と思いながらも、どうだろうと思ったのが正直な感想です。今の北朝鮮は当時の大日本帝国だ、的な話もあって、よ~く考えてみると意外にあたっているような気がしなくもないです。

2014/06/03

TheWho

和光大名誉教授で精神分析学者である著者が、非情な人種差別、殺戮を犯し続ける欧米人(白人)の深層をヨーロッパ文明の起源から解き明かす遠大な論述本。白人は、アフリカで誕生した人類(黒人)の奇形(アビルノ)の集団で歴史上初の被差別人種であり、欧州文明の起源であるエジプト文明やギリシャ文明は黒人種の文明であった云う、高野信夫やマーティン・バナールの諸説を下敷きに論述している。そして差別され続けた白人は、フロイトの反復脅迫説に基づき非情な差別主義になったと云う。真偽はともかく目から鱗の衝撃的な一冊です。

2016/03/21

ムカルナス

高野信夫の説を元にアフリカ大陸の黒人の突然変異であるアルビノが差別され寒冷地に追い払われたのが白人であり、自らの出自に劣等感を持つ白人は豊かな土地を求めて大航海で他民族を収奪し植民地にするが、それを白人中心主義理論で正当化し歴史を捏造したと批判する。また「黒いアテナ」説を取り上げ、ギリシア文明は黒人のエジプト文明の亜流であるのに認めない白人が多いことも批判。白人中心の世界史には疑問があったので納得する部分もあるが、両説に対して著者の十分な検証がなされておらず全体としては説得力に欠けるのが残念。

2018/09/30

ダージリン

岸田秀さんは昔少し読んだ時期があって、久々に図書館の書棚で見つけて読んでみた。ギリシア文明はエジプトの影響を強く受け、言わば黒人の文明であったという、マーティン・バナール著の「黒いアテナ」が軸となる。「黒いアテナ」に対する強い反発などから、白人至上主義のヨーロッパ文明の欺瞞性に切り込むが、白人種が黒人種から迫害されてヨーロッパに追いやられた過去があり、そこに無意識的なコンプレックスがあるということが前提とされており、その根拠が示されている訳ではないので、読み物としては面白いが・・・という印象。

2024/01/26

13km

日本が戦争に負けたことについて考えるに当たってヨーロッパの歴史にまで思考の範囲を拡げるさまは、まさに精神分析者が自己の内面を深く掘り下げていく形と同じだと感じた。歴史は古ければ古いほど揺らいでるように思う。なにかひとつの事実が見つかればそれまでの歴史観や価値観がひっくり返り、正義が悪に悪が正義になる。個人的には今のヨーロッパ中心の歴史観には首をひねる思いがするので、植民地政策や先住民に対してしてきたことをヨーロッパが意識を改めてくれればいいのにと思う。

2013/07/15

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