ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~完全版 (ディアプラス文庫)
ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~完全版 (ディアプラス文庫) / 感想・レビュー
ぐうぐう
夢中になって読んでいて、浅はかにも二人は結ばれなくてもいいんじゃないか、いや、結ばれないからこそ野心的なBLになるのではないか、と思ってしまった。けれど、それがまさしく浅はかな考えだったことを読み終えて実感する。彼女とのセックスレスに悩む一顕と同性の幼馴染みに叶わぬ恋心を抱く整が思わぬ展開により結ばれる時、そこには性欲の問題が横たわっていく。つまり、 これは愛情に溺れているのか、それとも愛欲の快感に溺れているだけなのか。二人に与えた一穂ミチの残酷な試練。(つづく)
2022/08/26
青龍
旧版は既読だけど、手放してしまったため、加えられた部分がわからずに残念。やっぱり、これ、好きです。かおりの言動が理解できない方が多いと思うけど、私は共感できないまでも理解はできてしまいます。ただね、こういう方は、結婚には向かないから、相手にきちんと説明すべきだね。(または、先輩のダンナみたいな男を見つけるか)
2019/03/29
のこ
旧版既読。雨の音だけでなく本当に匂いすらしそうな情景描写と、男も女もまるでそこに実在するかのごとく、欠点だらけの「生身」を感じさせる人物描写、破綻なく作り込まれた物語の自然な展開、何もかもうまいなぁと感心せずにいられない。そんなうまさがあるから、読んでいて主人公カップル一顕×整に感情移入できるだけでなく、脇のかおりや和章にも心を寄せることができるのだと思う。数ある一穂作品の中でも特に優れた作品のひとつだと今回改めて思った。
2018/10/21
浅葱
同棲中の一顕とかおり。好きのニュアンスが違う幼馴染同士で暮らす整と和章。メールの誤送信から始まる一顕と整のメールのやりとり。お互いのパートナーとのセックスレスに悩む二人が互いの悩みを打ち明けつつ絆を深めていく。共に暮らすということ。共に暮らすからこそ求めるぬくもりであったりと。好きだからこそ相手に触れたい。満たされたいと思うのはごく自然な感情で。セックスに対しての考え方、欲求の度合い。それは人によって様々。デリケートな問題だからこそちゃんとお互いが納得できるように話し合える関係性がとても大事なんだろう。→
2020/12/02
きょん
旧版既読。肉欲があさましいという価値観の社会で生きている人間として、例えパートナーであろうがセックスを誘うのって勇気がいると思うと一顕の彼女の行動はやっぱり残酷だなあと改めて思ってしまった。彼女の先輩のエピソードも何だかとてもおぞましく恐ろしかった。
2018/11/08
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