おそろし (新人物ノベルス)
おそろし (新人物ノベルス) / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
宮部みゆき万歳!こんな作品を読むと宮部さんは当代随一の作家だと言う確信が強まる。江戸時代を舞台にしたホラー。17歳のおちかが普通の人々の心の傷を癒していく。他人を癒すことが自分を癒すことに繋がると言うテーマが本当に良かった。昔カウンセリングのボランティアをやったことがあり、大変な経験だったが、この小説のおちかのように人の話に耳を傾けることで、自分の心が浄化されていくのを経験した。夜中に読んでいると体が震えだすような恐怖が充満しているのだがそれを上回る人の優しさが描かれており、爽やかな読後感を味わえる。
2014/09/23
めだか
おどろおどろしい人間の怨念!とも悲哀の詰まった話とも・・・。日本人の情緒に訴えるもの悲しさがある。「黒白の間」とは言いえて妙なり。人間の心情の白と黒、善と悪の織りなしが絶妙。白と黒が点在して気がつくとどちらかの色に引きずられていく人々が描かれている。@「もう少しスッキリとした構成でもよかったんじゃないかぁ」などと細かい突っ込みは別にして、イッキに読ませる宮部みゆきの筆力は、まさに「おそろし」!
2010/11/24
ドナルド@灯れ松明の火
宮部風味の百物語。おちかは元気になったんだろうか。おたかは本復したようだ。これからこの続きはどうなるのだろう。宮部さんのライフワークになるかもしれない。
2011/01/13
かずよ
松太郎がかわいそうでした。でも何も悪くないのに、死んでいったお吉と宗助が本当に哀れです。私には十分怖いお話でした。続編も期待します。
2010/08/18
にゃんころ
凶宅以外は、人の思いのすれ違いというか、悲しい話でした。おちかが徐々に変わっていく姿と、周囲の人が暖かく支えているのが微笑ましい。それが逆に各話の怖さを引き立てているというか。1話だけ、中途半端に終わったなぁと思ってたら、最後の最後に綺麗にまとめあげてくれたのはさすがだと思います。これ、続編が出てるんですよね。この終わり方でどう次に繋げてあるのか気になる~。読まねば。
2010/12/23
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