死のある風景 Last Edition
死のある風景 Last Edition / 感想・レビュー
yn1951jp
「年を重ねてここまでくると、目に入るものや、耳にするものが、だんだんぼやけ、曖昧になってきて、≪死≫と≪詩≫だけが、いやに鮮明に見えたり聞こえたり…どんな本を読んでもそれが≪死≫について書かれたもののように思われる…本を読む愉しみというものは≪死≫と親しみ、戯れることなのかもしれない。」私たちは身近にある≪死≫を見過ごしている、いや見ようとしていないのでは?「あの世とこの世の境はどこにあるのだろう。死者と生者の境は或るのだろうか」(久世朋子)北川健次の作品は久世が描きたい「死のある風景」そのものという。
2015/09/16
よみ
「死のある風景」シリーズの中から、奥様が選んだものをまとめた一冊。私にとっては馴染みのあるものだけが収録されているので、安心して読めました。その反面、シリーズ外でも久世さんはまさに「死のある風景」としか称しようのない素晴らしい随筆を遺されているので、そちらもまとめて掲載してしまえばいいのにと思わずにはいられません。 それにしても、いくつもの死を美しく認めてきた久世さん自身がすでにあちら側にいるというのは、なんとも不思議なことですね。
2019/03/23
nightowl
死にまつわるエッセイのシリーズから、故久世光彦の妻、久世朋子によって選出されたものに北川健次の新作品(レオ・ペルッツの「夜毎に石の橋の下で」表紙に用いられた写真もあり)を加えた一冊。エッセイの内容が純日本的であるだけに、海外の写真が合っていないような…シリーズを知るきっかけとなった「冬の女たち」のシュールなコラージュ作品が気に入っていただけに残念。エッセイの選出センスは非常に優れている。
2014/05/21
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