小林多喜二全集 第2巻 新装版
小林多喜二全集 第2巻 新装版 / 感想・レビュー
A.T
北海道で育った私にとって、非常に重い読書経験になった。思い出の片隅にあった電信柱に貼られたビラ、うねって水たまりになった深い轍の雪解けの道、汽車の窓から見えた原野の遠い廃屋…それらに重なり合う。「築港が埋立された、倉庫が立つ、レールが引かさる、文明が開けるという。然しそこには「監獄部屋」によって、封建時代の「人柱」のそれが…そこの土には生きた人間の血と骨が埋められているのだ…それを支えている人柱が…「プロレタリアート」なのだ。」急激な開墾にかけられた奴隷扱いされてきた無名の人々の生活を書き記した作品集。
2019/06/30
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