スターリン秘史―巨悪の成立と展開〈5〉大戦下の覇権主義(下)
スターリン秘史―巨悪の成立と展開〈5〉大戦下の覇権主義(下) / 感想・レビュー
yo yoshimata
第二次大戦の最終局面で、戦後の国際秩序において、ソ連の「勢力圏」を確保するために、あらゆる謀略をはかり、日独による侵略の野望を阻止するという大義ですらみずからの覇権主義の道具とする、スターリンの最悪の覇権主義の告発になっています。そのどこにも、「共産党」らしさはありません。印象に残っているのは、こうした覇権主義の行為は、党内の民主主義を封殺した結果、可能となったということ。民主集中制を投げ捨てた成れの果てが、スターリンの覇権主義だ、ということです。
2015/12/28
kadoyan
スターリンの覇権主義への野望が、ユーゴスラビアの解放戦争への態度、コミンテルンの解体、東ヨーロッパへの対応など、巧妙に緻密にすすめられていることが著書の解明であきらかにされている。ソ連の対日参戦についても詳しく解明。満州の日本人が、シベリアに送られたなぞにも迫る。ソ連の覇権主義と、日本の軍部の放棄政策による犠牲。ほんとうにひどい。しかしこれだけのことをディミトロフの日記を軸にしながら、あきらかにする著書の科学的探究がすごい。
2016/01/04
しんすけ
1943~45年、世界大戦終結の過程が、チャーチル、ルーズベルト、デイミトロフなどが残した資料を縦横に引用しながら語られる。中でもシベリア抑留が関東軍からの要望であった事実には驚愕さえ覚える。最も注目したのはユーゴスラビアのチトーに関する記述だ。かって著者は『現代修正主義の世界綱領』でユーゴスラビアを批判している。だが本書では、チトーが民族解放運動の戦いの中でスターリニズムに対抗していたことを感動的に綴っている。本シリーズ中で『ゴルバチョフ自伝』を評して「反省がない」と書いたことに不整合を感じる。
2016/05/20
浮草堂美奈
小説の資料に
2016/07/06
二人娘の父
圧巻です。
2015/12/25
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