金色の流れの中で (文学のピースウォーク)
金色の流れの中で (文学のピースウォーク) / 感想・レビュー
tan
児童書。ではあるけど戦後の話や話の飛躍の仕方に子供がどこまで興味を持って読んでくれるのか?同級生の意地悪さも昔ならよくあったやり方だが今の子供には理解できないだろうし、解決もせずいきなり時代を進ませて児童書としては中途半端な本だと思う。結局、和也はどうなったのか?誰の子だったのか?さっぱりわからないまま終わってしまい、大人向けならそれでもいいけど子供にはもっとはっきりと結末を与えるべきだと思った。
2017/05/12
どら母 学校図書館を考える
同調を強いられる息苦しさを、少し大人びた、自尊感情の薄い主人公から感じた。 その時、私はNOと言えるか。
2018/03/05
なま
★4.5 父の戦争体験から「人殺しの子」だと傷つく木綿子。町内で不審者と噂される和也に話す。 実は彼は、川の金の流れに乗ってきた2030年からの漂流者。新聞記者だという彼と同じ物を見聞きしても賛否わかれる。学校の学びやルールは絶対なのか?皆一緒は怖い。戦争の実行決断者は大抵戦場にはいかない。責任を持つことは子どもに出来るのか?事実と考えをわけること。 「わたし」でいることの責任。その為に何をし、何が出来るのか? 「未来は人の力で良い方向に変えることだって、きっとできる。」p137 これ、今必要。
2022/02/26
ねこ
なぜ戦争に突き進むことになったのかということを、「みんないっしょに」のなかにある危うさを書くことで描いています。そして6年生の女の子が「家族」を卒業することで、ひとりで考えることを覚えてゆく。「みんな」から「ひとり」へ。戦争を繰り返してはいけないという作者の強い思い・考えが溢れだしていて、作品としてはこなれていない印象を受けましたが、子どもたちはそんなことなどおかまいなしに、ストレートに問題提起を受け取ってくれるのかもしれない。日本児童文学者協会創立70周年記念出版。
2016/11/10
cuoreri
川の中に金色の流れと、そこにひそむ大きな魚を見つけた幼い木綿子。時が経ち、舞台は1964年。橋の下には変な人がいて、近づいてはならないと母親に厳しく言われていた木綿子は、川の中の金色の流れに触ろうとしている男の人の姿を目にする。男の人は和也といい、2030年の未来からやってきたという。木綿子は、父親が戦争で人を殺したことにショックを受け、和也にそのことを打ち明ける。木綿子はとても聡い子だ。読んでいて木綿子の純粋さに涙が出そうになった。
2016/10/03
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