誰も置き去りにしない社会へ―貧困・格差の現場から
誰も置き去りにしない社会へ―貧困・格差の現場から / 感想・レビュー
とよぽん
置き去りにされている子ども、親、家族の苦境を様々な視点でアプローチした実態。驚いたり怒りを感じたり、政治不信の黒雲がムクムクと湧き上がる。弱者にとことん冷たい行政、法律、裁判も。生活保護にたどりつけない事情?もうこの国はどうしようもないのか、と絶望的な気持ちになる。新自由主義は限りなく弱者を切り捨て、格差を拡大してきた。でも、この本を執筆した10名の学者や弁護士、保育者、記者のまなざしは救いだと思う。負の連鎖を断ち切る「力」は何だろう?
2020/06/04
けんとまん1007
「生きる」っという基本的なところが危ういのが、今のこの国だと思うし、それに拍車をかける動きが強くなっていると思っている。それは、ここに述べられていること以外も含めて、表に出ないように隠され、また、出にくい環境が作られているということもある。マスコミのレベルダウンも大きな要素だと思う。改めて、民度とはどうなんだろう?と思ってしまう。次の世代にツケを回し続けている限り、難しいとは思うが、あきらめてはいけない。
2020/03/17
ゆう。
様々な分野から日本の貧困の実像に迫り、自己責任とせず、社会的責任を明確にし、解決するための施策を考察した内容です。日本の子どもの貧困対策が産業・経済界の人材育成の一環に組み込まれている限界が示され、誰もが自分らしく生きていくためにはどうすればいいのか考えることができます。また相対的貧困率の数値が若干下がったとしてもそれは国民所得全体(特に低所得者層の所得)が減っているために中央値が下がっているからだということも学ぶことができました。既存の学校社会中心の貧困対策で良いのかについても問題提起がなされています。
2018/02/07
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