新編 文学にみる女性像
新編 文学にみる女性像 / 感想・レビュー
しんすけ
高校の二年生だったと思う。 百合子とその夫の顕治の往復書簡集『十二年の手紙』に感動したことがある。 顕治が九歳年下だったが、百合子の手紙は甘えに充ちていた。 顕治のほうは片意地張ったようで、笑ってしまったことがある。顕治は拘置所に収監されていたのだから、それも仕方ない。 本書からは理論家としての堅固な百合子が観えてくる。 謙治との結婚生活は十九年だったが、ともに暮らしたのは五年に満たない。 堅固な意思が十二年を支えたのだろうが、それも悲しいことではないだろうか。
2022/09/20
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