復活!大人まんが: 夏目&呉の
復活!大人まんが: 夏目&呉の / 感想・レビュー
ゲオルギオ・ハーン
2002年12月発行。『大人まんが』という大人になってから初めて分かる、言葉で表現するのは難しいジャンルの巨匠たちを短編作品を厳選し、著者二人で解説している。元漫画家でもある研究家の夏目先生は画風を真似した漫画で技法と魅力の解説を行い、呉先生はストレートな書き方で文章にしにくい大人まんがの魅力を紹介している。個人的には東海林さだお先生、谷岡ヤスジ先生、横山隆一先生、佐川美代太郎先生の作品が特に面白く、作風もとても気に入りました。意外と単行本化されていないのも大人まんがの特徴なのでまとめて読むのは大変かも。
2023/05/21
がんぞ
アダルトと称される漫画は性的願望充足つまり、少年漫画の延長を意味し安く大部数売られるが。夏目「60年代から70年代初めにかけて、若者文化が向いていた方向というのは『大人の否定』だったわけですが、その彼ら=我々が今、ちゃんと成長して相応の大人の価値観をもち得ているとは言い切れない。だから大人マンガが定着しない…。『大人の距離感』」。呉「新聞社の国際漫画コンクール入賞作品は凡て下らない」芸術的鍛練に伴う哲学のない素人が大人マンガは無理なのだろう。高信太郎のダジャレ落ちナンセンスはなかなか真似の出来ない芸である
2015/06/11
すがし
冒頭の東海林さだお「緑の水平線」のあまりにも圧倒的な虚無と感動にまず度肝を抜かれる(ちなみに主人公はサラリーマンのおっさん)。その後も谷岡ヤスジ、タイガー立石など伝説のマンガ家の傑作が目白押し。夏目・呉両巨頭の解説も素晴らしく、非の打ち所のない必読の大人向けアンソロジー!!
2011/07/10
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