死神
死神 / 感想・レビュー
モルク
題名からホラーを連想していたが、社会福祉施設の職員さんたちの連作短編集。保護を必要とする人のために働くということは苦労も多く仕事の量も多い。そしてそれをあたりまえのこととして感謝されるわけではない場合も多い。時には怒鳴られ、嘘を言われたり、脅かされたりそして死体を発見するなんてこともあるそうだ。篠田さんが福祉事務所での勤務経験があるというのも初耳。それだから書けるということもあるが、それが故に書けないこともあるのもまた事実であろう。
2017/12/23
いつでも母さん
読メで知り図書館へ。タイトルからこのような作品とは思わなかったが、面白く一気に読了。篠田さん、福祉事務所に勤務されていたのですね。8編からなる同じ職場のそれぞれのケースワーカーの話。多種多様のケースが増え今のケースワーカーは過酷だろうと想像するが、それでも作品それぞれが活き活き(表現が不適切か?)と感じた。受給者もケースワーカーも勿論、全ての人間の中には、『まっとう』な者と『そうでない』者は居る訳で・・理不尽を嘆いても仕方ないかもだが、本当に必要な方に保護費が受給出来る社会になって欲しいなぁ。
2015/03/02
そうたそ
★★★★☆ 福祉事務所に勤めるケースワーカーたちを描いた連作短編集。篠田さんの作品を語る上で、最初の方にその名が挙げられないかもしれない地味な作品かもしれないが、個人的には篠田さんの作品群の中でもトップクラスの出来ではないかと思った。福祉職とはいえ、聖人ではない。不完全な人間だからこそ、保護を受ける者達に相応の保護を与えられるのかもしれない。貧困にはやはり男女の捻れた愛が付き纏うものなのだな、と印象的に思ったのが「花道」と「失われた二本の指へ」。後者の出来は特に秀逸。恋愛を描く作品としても一流の出来。
2014/05/11
eeko
八話の短編集。作者自身が福祉事務所に勤務されていた…とあとがきであり書きにくかったらしいですね~しかし、実際ケースワーカーの勤務ってそんな感じなのだろうと察した。薬物中毒の元スナック経営の女や働く意志のない母親、過去の栄光をいつまでも信じている小説家、アルコール中毒。ケースワーカーは仕事としてアドバイスをするわけだけどどの程度の距離をとりながら接するのか個々の性格にもよるのだろう。。。『緋の襦袢』の大牟田マサはどうしようもないけどなんか憎めないおばあさんなんだよなぁ~おもしろかったデス♪♪♪
2014/01/31
ネオ
選手交替という話が、好き。
2017/10/17
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