荘子は哭く
荘子は哭く / 感想・レビュー
おそのさん
小嵐九八郎3冊目。これはいい。戦国時代の中国、杜震の視点から見た世の中と奇人にして思想家・哲学者・詩人・ろくでなしの、師にして義兄の荘周こと荘子。もっと評価されてもいいと思うがまさかの初レビュー。 読み応えがあった。
2011/10/14
Shinya Fukuda
宋の高級官僚の子である震は姉の淑玉が荘周と結婚した為荘周の義弟となった。以後震から見た荘周の人生が語られていく。荘周の弟子は国際商人、盗賊の頭、元墨家の頭目等バラエティに富む。宋で政変が起こり流浪の身となる。そんな中で震は宋に残してきた巫女に魅かれるが裏切られる。荘周は宰相の恵施、儒家の孟軻らと論争するが悉く論破する。また、墨家に監禁されたり、宋の戻った時収監されたり苦労の連続の物語。震の少年期から中年迄をカバーしているのでドイツ教養小説のような面もある。子供が死んでも泣かなかった荘周が妻が死んだ時泣く。
2023/05/21
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