下町の迷宮、昭和の幻
下町の迷宮、昭和の幻 / 感想・レビュー
バニラ風味
登場する人は、あがいていたり、あきらめていたりする人。そこに追い打ちをかけるような出来事が起きても、受け入れるというか、まるで同化するかのように不幸に染まっていく感じです。舞台は、うらぶれた場所だったり、もう忘れ去られたような昭和を感じられるような場所。もう取り返しがつかない、徐々に朽ちていくようなストーリーは、あとからじわじわと怖くなりました。
2016/08/30
子音はC 母音はA
子、田端、浅草、谷中、日暮里、京島、錦糸町等の昭和の香りが漂う下町を舞台に繰り広げられる怪奇短編集。廃れゆく変わりゆく風景と共に人間の眼にはのっぴきならない幻視が宿る。その土地で培ってきた郷愁は時として人を死の迷宮に誘う。なかなかの出来映え。
2014/10/26
しゃお
人生下り坂、な人たちが怪異に逢って逃れたり飲み込まれたりする話。全体に漂う倦怠と諦観が、逆に怖さを削いでしまっているような気がした。雰囲気は好きなんだけども。
2013/06/20
秋芳
ホラー短編集。 全体を通じて、セピア色のレトロな雰囲気を醸し出している一冊。イメージは、黄昏時の下町の路地…といった感じだろうか。 雰囲気で読ませる/酔わせる趣向とみえ、エンターテイメント的な満足感は薄いが、じっくりと読ませる渋い味わいがある。
2006/09/13
warimachi
枯れに枯れて心地よい。造本も含めて美しい一冊。書名だけはストレートにすぎるか。
2014/02/03
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